不動産売却は、査定から引き渡しまで平均3〜6ヶ月が目安です。期間を左右するのは運ではなく、最初の準備・価格設定・建物情報の整理。建築士の視点で事前に不安要素を減らせば、売却期間は短縮できます。全体スケジュールを把握することが、後悔しない売却の第一歩です。

「家を売るのって、結局どれくらい時間がかかるんですか?」
これは岡山で売却相談を受ける中で、最も多い質問です。ネットを見ると「3ヶ月で売れる」「半年は見ておくべき」など情報はバラバラ。不安になりますよね。私自身、一級建築士・宅地建物取引士として800件以上の売却に関わってきましたが、売却期間は“運”ではありません。どこで時間がかかり、どこを押さえれば短縮できるのかには、明確な理由があります。この記事では、査定から引き渡しまでの全体スケジュールを工程ごとに分解し、「あなたの家の場合は何日かかるのか」が見える形で解説します。読み終えた頃には、売却の段取りがはっきりし、無駄に焦らず動けるようになるはずです。

不動産売却は全部で何日かかる?【全体像を先に解説】

不動産売却の相談で、私が最初にお伝えするのは「全体像」を知ることの大切さです。建築士の目から見ても、売却が長引く原因の多くは、部分的な情報しか知らずに進めてしまうことにあります。まずは、査定から引き渡しまでの“標準的な流れ”を把握しましょう。

査定から引き渡しまでの平均日数の目安

岡山での戸建て・中古住宅売却の場合、私の実務経験ではおおよそ90日〜180日が一つの目安になります。内訳は以下の通りです。

・査定〜媒介契約:約1〜2週間
・販売活動〜売買契約:約1〜3ヶ月
・契約〜引き渡し:約1〜2ヶ月

合計すると、早い方で3ヶ月、慎重に進めると6ヶ月ほどです。「意外と長い」と感じた方もいるかもしれませんが、これは決して遅いわけではありません。むしろ、無理に短縮しようとしてトラブルになるケースの方が、結果的に時間もお金も失ってしまうんです。

「3ヶ月で売れる人」と「半年以上かかる人」の違い

同じ岡山でも、売却期間には大きな差が出ます。その違いは、建物の築年数だけではありません。実は、

・最初の価格設定が適正か
・建物の状態をきちんと把握・説明できているか
・売却の優先順位(価格重視か、時期重視か)が整理されているか

この3点で、結果は大きく変わります。私の経験では、ここが曖昧なまま売り出した物件ほど、値下げを繰り返し、結果的に半年以上かかることが多いんです。

岡山での売却期間が全国平均とズレる理由

全国平均のデータを見ると「3〜4ヶ月」と書かれていることが多いですが、岡山では必ずしも当てはまりません。理由はシンプルで、戸建て比率が高く、建物評価の影響が大きいからです。構造やメンテナンス状況によって、買主の判断スピードが大きく変わります。建築士として言えるのは、「建物の説明ができるかどうか」が、岡山では売却期間を左右する重要なポイントになる、ということです。

査定〜媒介契約までにかかる期間と注意点

ここは多くの方が「一瞬で終わる」と思いがちな工程ですが、実は売却スケジュール全体を左右する重要なスタート地点です。建築士の目から見ると、この段階での判断ミスが、後々1〜2ヶ月のロスにつながるケースを何度も見てきました。焦らず、しかしポイントは押さえて進めることが大切です。

不動産査定にかかる日数と正しい受け方

不動産査定そのものにかかる日数は、早ければ1〜3日、丁寧に行うと1週間前後です。ただし注意していただきたいのは、「早い=正確」ではないという点です。

机上査定(簡易査定)は周辺相場だけで価格を出すため、建物の状態がほとんど反映されません。一方、訪問査定では、

・建物の劣化状況
・過去のリフォーム履歴
・雨漏りや傾きなどの兆候

といった点を確認します。私の経験では、ここをきちんと見ずに出された高めの査定額ほど、後で売却期間が延びます。査定は「高く出してもらう場」ではなく、「現実を知る場」だと考えてください。

媒介契約は急がなくていい理由

査定が終わると、「すぐ媒介契約を結びましょう」と言われることが多いですが、私は即決をおすすめしていません。媒介契約までにかかる期間は、数日〜2週間程度で十分です。

この間にやるべきことは、

・査定額の根拠を理解する
・販売戦略(価格・期間・広告方法)を確認する
・自分が何を優先したいのか整理する

特に「いつまでに売りたいのか」を決めずに媒介契約を結ぶと、後で判断がブレます。売却期間が長引く方ほど、ここが曖昧なことが多いんです。

ここで失敗すると売却期間が一気に延びます

査定〜媒介契約の段階で、最も多い失敗は最初の価格設定を誤ることです。高く売りたい気持ちは当然ですが、相場とかけ離れた価格でスタートすると、

・内覧が入らない
・市場で「売れ残り」認定される
・値下げしても反応が鈍くなる

という悪循環に陥ります。建築士として断言できますが、最初の2〜4週間は、売却において最も重要な期間です。このスタートをどう切るかで、3ヶ月で終わるか、半年以上かかるかが決まると言っても過言ではありません。

販売活動〜売買契約までが一番ブレやすい

不動産売却の中で、最も期間に差が出やすいのがこの「販売活動」のフェーズです。建築士の目から見ても、ここは“家そのもの”よりも、“見せ方と伝え方”で結果が大きく変わります。実際、同じ条件の家でも、1ヶ月で決まるケースと、半年以上動かないケースがはっきり分かれるんです。

text
コードをコピーする

内覧が入るまでにかかる平均期間

販売を開始してから最初の内覧が入るまでの目安は、1〜3週間です。ここで全く反応がない場合、市場からの評価がズレている可能性が高いと考えた方がいいでしょう。

岡山での実務経験から言うと、
・価格が相場とかけ離れていない
・写真と現地の印象にギャップがない
・建物の状態が事前に整理されている

この条件が揃っていれば、比較的早い段階で内覧は入ります。逆に、内覧が1ヶ月以上入らない場合は、何かしらの“ブレーキ”がかかっているサインです。

売れない原因は「価格」よりも〇〇

「売れない=高すぎる」と思われがちですが、実は原因はそれだけではありません。建築士として多くの現場を見てきて感じるのは、情報不足が原因になっているケースです。

例えば、
・雨漏り歴や修繕履歴が曖昧
・境界や測量の状況が説明できない
・築年数に対するメンテナンス状況が不明

こうした状態だと、買主は不安になり、判断を先延ばしにします。その結果、「悪くはないけど、決めきれない家」になってしまうんです。価格以前に、“安心して判断できる材料”が揃っているかが重要なんですね。

建築士の目で見る「早く決まる家」の共通点

早期に売買契約まで進む家には、いくつか共通点があります。

・建物の状態が正直に開示されている
・リフォームの有無と内容が整理されている
・「どんな暮らしができる家か」が伝わる

特に最後の点は見落とされがちですが、とても大切です。家は数字だけで買われるものではありません。「この家で生活するイメージ」が描けた瞬間、買主は決断します。販売期間を短くする最大のコツは、建物の欠点を隠すことではなく、正しく伝えることだと私は考えています。

売買契約〜引き渡しまでに必要な日数

「契約が終われば、あとはすぐ引き渡しですよね?」
実はここで、想定より時間がかかって焦る方が少なくありません。建築士・宅建士の立場から言うと、このフェーズは“事務手続きと段取り力”が問われる工程です。流れを知らずにいると、引っ越しや資金計画にズレが生じてしまいます。

text
コードをコピーする

契約後すぐ引き渡しできない理由

売買契約が成立してから引き渡しまでにかかる期間は、おおよそ1〜2ヶ月が一般的です。「え、そんなに?」と思われるかもしれませんが、理由は明確です。

・買主の住宅ローン審査
・売主側の抵当権抹消準備
・引っ越し・残置物の整理
・必要書類の準備

これらは同時進行で進みますが、どれか一つでも遅れると、全体が止まります。特にローン審査は、買主都合で期間が読みにくいため、余裕を見ておくことが大切です。

決済・ローン・抵当権抹消の実務スケジュール

引き渡し当日は「決済日」と呼ばれ、実務的にはかなりタイトな1日になります。

・買主から残代金の入金
・金融機関でのローン実行
・抵当権の抹消手続き
・所有権移転登記
・鍵の引き渡し

これらを半日〜1日で一気に行うため、事前準備ができていないと延期になることもあります。私はこれまで、書類が1つ足りないだけで決済が1週間延びたケースも見てきました。地味ですが、非常に重要な工程です。

引き渡し直前に慌てないための準備リスト

スムーズに引き渡しを迎えるために、売主側で早めに確認しておきたいポイントがあります。

・住宅ローン残高と抹消条件の確認
・引っ越し日と決済日の調整
・測量・境界の有無(必要な場合)
・設備表・物件状況報告書の再確認

建築士の立場から付け加えると、「引き渡し直前に初めて指摘される建物の不具合」は、トラブルになりやすいです。だからこそ、販売開始前の情報整理が、ここでも効いてくるんですね。