岡山で不動産を売るなら、無料査定と有料査定は「優劣」ではなく「使い分け」が重要です。 無料査定は相場感を知るための入口、有料査定は売出価格と戦略を決めるための判断材料。 査定額の高さに振り回されず、建物や土地の個別条件を正しく評価することで、結果的に早く・納得のいく売却につながります。 建築士と宅建士の両面から見れば、「正しい順番で査定を使うこと」こそが売主を守る最大のポイントです。
  1. 岡山で家を高く売るには、査定額の高さより「根拠」が重要
  2. 建物の状態・立地・市場を正しく把握することが早期売却の鍵
  3. 最初の価格設定が、売却結果の8割を左右する

「岡山で家を売りたいけれど、無料査定だけで本当に大丈夫なのか」「有料査定ってお金を払う意味があるの?」
こうした疑問を、私は10年以上、岡山の売主の方から何度も聞いてきました。
一級建築士として建物を見てきた立場、そして宅建士として売却現場に立ってきた経験から断言できるのは、
査定は“高いか安いか”ではなく、“どう使うか”がすべてだということです。
この記事では、無料査定と有料査定の違いを、精度・費用・活用方法の3つの軸で整理し、
「あなたの場合、どちらを選ぶべきか」が自然と分かるように解説します。
読み終えた頃には、査定額に振り回されず、冷静に売却判断ができるはずです。

無料査定とは?岡山の不動産市場での実態

無料査定の仕組みと算出方法

無料査定とは、主に過去の取引事例や周辺相場をもとに、「このあたりで売れそう」という価格帯を算出する簡易的な査定です。
最近では、ネット上で住所や築年数を入力するだけで、数分〜数時間で結果が出るケースも増えています。

仕組みとしては、
・近隣の成約事例
・土地の広さ
・築年数
・用途地域
など、数字で処理しやすい情報が中心です。

逆に言えば、
・室内の劣化状況
・雨漏りや設備の不具合
・日当たりや隣地との関係
といった「現地を見ないと分からない要素」は、ほぼ反映されません。

あくまで無料査定は、相場感をつかむための“入口”だと考えるのが正解です。


岡山で無料査定がズレやすい理由

岡山で無料査定がズレやすい理由は、とてもシンプルです。
エリア差と物件差が大きいからです。

たとえば同じ岡山市内でも、
・中区の住宅地
・南区の郊外エリア
・北区の古い住宅街
では、買い手の層も動き方もまったく違います。

さらに建築士の目から見ると、
・同じ築年数でも構造状態が全然違う
・リフォーム歴の有無で価値が変わる
・土地の形状や高低差が価格に影響する
といった点が、無料査定では拾いきれません。

その結果、
「高すぎる査定が出たけど、まったく売れない」
「安く見積もられすぎて不安になる」
という事態が起こりやすくなるのです。


無料査定が向いている売主・向いていない売主

私の経験から整理すると、無料査定が向いているのは次のような方です。

無料査定が向いているケース
・売却するかどうか、まだ検討段階
・相場感だけを知りたい
・築浅で条件が比較的シンプルな物件

一方で、次のような場合は注意が必要です。

無料査定だけでは危険なケース
・築20年以上の住宅
・相続した家
・修繕や劣化が気になっている
・土地条件が特殊(旗竿地・高低差など)

こうした物件ほど、次の章で解説する「有料査定(精密査定)」の価値が生きてきます。

次は、建築士の視点から「有料査定とは何をしているのか」を詳しく解説します。

有料査定(精密査定)とは?建築士視点で見る本当の価値

無料査定が「相場を見るもの」だとしたら、有料査定は「この家はいくらで、どう売るべきかを決めるための診断」です。
私自身、一級建築士として現地を見ずに価格を語ることはできません。
なぜなら、不動産の価値は数字だけでは決まらないからです。

岡山で長年売却をお手伝いしてきた経験から言うと、
売却がうまくいくかどうかは、有料査定で“何を見ているか”にほぼ左右されます。


有料査定で何をどこまで調べるのか

有料査定(精密査定)では、次のような点を実際に現地で確認します。

  • 建物の構造(木造・鉄骨・RCなど)
  • 基礎・外壁・屋根の状態
  • 雨漏りや劣化の兆候
  • 設備(給排水・電気・ガス)の状況
  • 室内の使われ方・傷み具合
  • 土地の形状・高低差・接道状況
  • 法規制(建ぺい率・容積率・用途地域)

建築士の目から見ると、
同じ築30年の家でも「まだ十分使える家」と「手を入れないと厳しい家」ははっきり分かれます。

この差は、無料査定ではほぼ反映されません。


建物状況・劣化・土地条件が価格に与える影響

たとえば岡山でよくあるケースとして、

  • 外観はきれいだが、床下に湿気が溜まっている
  • リフォーム済みだが、構造的な補修がされていない
  • 土地は広いが、高低差があり造成費がかかる

こうした要素は、

  • 買主の不安
  • 融資の通りやすさ
  • 交渉時の値下げ材料
    に直結します。

有料査定では、
「この状態なら、いくらなら現実的に売れるか」
「どこを説明すれば価格を守れるか」
まで踏み込みます。

単なる価格提示ではなく、売却戦略の土台を作る作業なんです。


有料査定が必要になる代表的なケース

私の実務経験から、特に有料査定をおすすめするのは次のような場合です。

  • 築20年以上の戸建て
  • 相続した実家
  • 空き家期間が長い
  • 修繕や劣化が気になっている
  • 再建築や法規制が絡む土地
  • 岡山市郊外や需給が読みにくいエリア

こうした物件ほど、
「高い査定を出した会社」ではなく 「正確に説明できる担当者」を選ぶべきです。

次の章では、
無料査定と有料査定を精度・費用・使い方の3点で、より具体的に比較していきます。

無料査定と有料査定を徹底比較【精度・費用・使い方】

ここまで読んでいただくと、
「無料査定と有料査定、どちらが正しいのか?」
ではなく、
「どう使い分けるべきか?」
という視点に変わってきているのではないでしょうか。

実はこの“使い分け”こそが、岡山で売却に成功する人と失敗する人を分ける最大の分岐点です。


査定精度の違い|どこまで信用できるのか

まず一番気になるのが「精度」だと思います。

無料査定の精度

  • 周辺相場をベースにした“平均値”
  • 価格帯は広め(±10〜20%以上の差が出ることも)
  • 個別事情はほぼ反映されない

有料査定の精度

  • 物件の状態を前提にした“現実値”
  • 売却可能性を加味した価格設定
  • 値下げ交渉を想定した根拠づくりができる

岡山の売却現場でよくあるのが、
「無料査定では高かったのに、実際はまったく反応がない」
というケースです。

これは査定が間違っているというより、
査定の“前提条件”が違うんですね。


費用対効果|お金を払う価値はある?

「査定にお金を払うのはもったいない」
そう感じる方も多いと思います。

ただ、ここで一度冷静に考えてみてください。

仮に、

  • 売却価格:2,000万円
  • 査定のズレ:5%

これだけで 100万円の差 が出ます。

有料査定の費用が数万円だったとしても、
・売れ残りによる値下げ
・根拠のない価格設定
を防げるなら、結果的には安い投資になるケースがほとんどです。

特に岡山では、
「最初の価格設定ミス → 長期化 → 値下げ」
という流れが非常に多いのが現実です。


失敗しない査定の使い分け戦略

私が売主の方に必ずお伝えしているのは、次の順番です。

① 無料査定で相場感をつかむ

  • 複数社(3〜5社)から取得
  • 高すぎる・低すぎる数字を見極める

② 担当者の説明を比較する

  • なぜその価格なのか
  • デメリットも説明してくれるか
  • 売却期間の見立てが現実的か

③ 有料査定で最終判断をする

  • 売出価格を決める
  • 売却戦略を固める
  • 値下げを防ぐ根拠を作る

この順番を守るだけで、
「査定で失敗した」という相談はほぼなくなります。

次の章では、実際に岡山であった
「無料査定を信じて失敗した例」
「精密査定でうまくいった例」
を具体的にご紹介します。

岡山で実際にあった「高く売れた人・失敗した人」の査定事例

ここからは、私が岡山市内で実際に関わった売却事例をもとにお話しします。
数字や理屈だけでなく、「どこで判断を間違えたのか」「何が成功の分かれ目だったのか」が、きっと見えてくるはずです。


無料査定の数字を信じすぎて失敗したケース(岡山市南区)

岡山市南区で築25年の戸建てを売却しようとされたAさん。
最初に利用したのは、インターネットの無料査定でした。

5社から届いた査定額は、どれも相場よりかなり高め。
「こんなに高く売れるなら」と、その中で一番高い査定額を提示した会社に依頼しました。

ところが――
3か月経っても、内覧はほとんど入らない。
価格を下げても反応は鈍く、最終的には当初査定より200万円以上下げて売却する結果になりました。

建築士の目で見ると、

  • 外壁の劣化
  • 床下の湿気
  • 周辺環境(交通量・音)
    といった点が、買主にとっては明確なマイナス要素でした。

無料査定の数字自体が悪いのではありません。 「その数字を、どう使うか」を誤ってしまったケースなんです。


精密な判断で早期・納得価格で売れたケース(岡山市中区)

一方、岡山市中区で築30年の住宅を売却されたBさん。
この方は最初から「高く売りたいけど、失敗はしたくない」と慎重でした。

無料査定で相場感をつかんだあと、
私は現地で建物を詳しく確認しました。

すると、

  • 構造自体は非常に良好
  • 過去のメンテナンス履歴がしっかり残っている
  • 日当たり・立地条件が強み
    という点がはっきり見えてきました。

そこで、

  • 売出価格は相場のやや上
  • ただし、価格の根拠を丁寧に言語化
  • 買主に安心感を与える説明資料を準備
    という戦略を取りました。

結果、売出から2か月で希望に近い価格で成約
Bさんからは、
「最初にちゃんと見てもらって良かった」
という言葉をいただきました。


事例から分かる「高く売れる人」の共通点

この2つの事例から、はっきり言えることがあります。

高く、そして後悔なく売れる人の共通点

  • 査定額の高さだけで判断しない
  • 建物の状態を正しく把握している
  • 売出価格に“根拠”がある
  • 最初の価格設定を大切にしている

逆に言えば、
「高い査定を出した会社=正解」
と思ってしまうと、時間もお金も失いやすいんです。

次の章では、
この記事のまとめとして、岡山で家を高く売るために本当に大切なポイントを整理します。

まとめ|岡山で家を高く売るために本当に大切なこと

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

岡山で家を高く、そして後悔なく売るために一番大切なのは、
「一番高い査定額を信じること」ではありません。

私が建築士・宅建士として800件以上の売却に関わってきて、
一貫して感じているのは次のことです。

  • 家の価値は、相場+建物の状態で決まる
  • 最初の価格設定が、その後の結果をほぼ決める
  • 高すぎる価格は、時間とお金を失うリスクになる

家は、ただの数字ではありません。
あなたやご家族の人生が刻まれてきた、大切な資産です。

だからこそ、
「正しく評価し、納得できる形で次の人へつなぐ」
そのための判断材料を、きちんと持ってほしいと私は思っています。


記事の要点をもう一度整理します

  • 無料査定は「相場感をつかむための入口」
  • 建物の状態や土地条件は、価格に大きく影響する
  • 高く売れた人は、価格の根拠を大切にしている
  • 最初の売出価格こそが、売却成功の分かれ道

もし今、
「この査定額で本当にいいのかな?」
「一度ちゃんと見てもらった方がいいのでは?」
と少しでも感じているなら、その感覚はとても健全です。


無料相談・査定のご案内(押し売りはしません)

私は、無理に売却をすすめることはしません。
まずは、

  • 今の家がいくらくらいで売れそうか
  • どこが強みで、どこが注意点か
  • いつ売るのが現実的か
    こうした点を、建築士の目で正直にお伝えします。

岡山市中区・南区・北区を中心に、
「話を聞いて少し安心できた」
そう言っていただける相談を大切にしています。

▶︎ まずは無料で相談してみませんか?
(売却を決めていなくても大丈夫です)


よくある質問(FAQ)

Q1|査定額が高い会社に任せた方がいいですか?
A|必ずしもそうとは限りません。査定額が高い理由を、建物や市場の根拠で説明できるかが重要です。根拠のない高額査定は、後から値下げになるケースが多いのが現実です。

Q2|リフォームしないと高く売れませんか?
A|ケースによります。建築士の目で見ると、「直さなくていい部分」「直すと逆効果な部分」もあります。費用対効果を見極めて判断することが大切です。

Q3|まだ売るか決めていなくても相談できますか?
A|もちろんです。むしろ、決める前に相談していただく方が失敗は少なくなります。


最後にひとこと

家は、ただの箱じゃありません。
あなたの人生が積み重なった、大切な場所です。

その価値を正しく見極め、
納得できる形で次へつなぐお手伝いができれば、
これほど嬉しいことはありません。

岡山で家を売るなら、まずは一緒に考えてみませんか。
あなたにとって最適な道を、誠実にご提案します。