岡山で家を売るとき、まず理解すべきなのは「査定額は不動産会社ごとに違う」という事実です。建築士の視点から言うと、査定の精度は“建物をどれだけ深く見られるか”で大きく変わります。見た目より、構造・劣化・地域特性が価格を左右するのです。岡山の市場を正しく読み、適正な査定を受けることが、高く・早く売るための第一歩になります。
導入文
岡山で家を売ろうと考えたとき、多くの方が最初に悩まれるのが「不動産査定って何?どうやって金額が決まるの?」という点です。私もこれまで800件以上の売却相談を受けてきましたが、ほとんどの売主様が同じ不安を抱えておられます。
実は、大手不動産会社に勤務していた頃、私は“高額査定で囲い込む”という営業手法に疑問を感じていました。建築士として物件を見ると「この金額では絶対に売れない」と分かるのに、会社の方針でその価格を提示することがあったのです。その結果、売れずに数ヶ月がムダになり、値下げを繰り返すことも…。売主様の表情が曇っていくのを見るのが、本当に辛かったんです。
だからこそ独立後は、建築士として建物の真価を見抜き、売主様にとって本当に必要な“適正な査定”を届けることを使命にしてきました。
この記事では、不動産査定の仕組み、建築士が見る本当の価値、岡山特有の市場の特徴を、分かりやすくお伝えします。読み終える頃には、「ああ、そういうことだったんだ」と安心し、自信を持って売却に進めるはずです。
一緒に、あなたの家の価値を正しく見つけていきましょう。
不動産査定とは?仕組みと岡山での特徴を建築士が解説
建築士として多くの家を見てきた経験から言うと、不動産査定とは“売れる可能性が高い価格を導き出すための総合判断”です。ただし、その判断の質は会社によって大きく差があります。特に岡山市中区・南区・北区などは地域特性が強く、同じ家でもエリアによって価値が変わるため、地域密着の視点が欠かせません。
不動産査定の基本構造とは?(机上・訪問査定の違い)
不動産査定には大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
- 机上査定:住所・築年数・面積などのデータから概算を出す
- 訪問査定:実際に建物を見て状態・構造・立地条件を確認し算出する
私の経験では、机上査定と訪問査定では、最大300万円以上差が出ることもあります。
特に築20年以上の住宅は、外から見えない構造部分の状態が価格に大きく影響するため、訪問査定の精度が結果を左右します。
岡山は築30年以上の住宅も多く、見た目だけで判断すると価値を誤るリスクが高い地域です。そのため、机上査定はあくまで目安。本当の価値を知りたいなら訪問査定が必須といえます。
査定額はどう決まる?建築士が見る「建物の価値」
査定額の判断材料は多岐にわたります。主なものは以下の5つ。
- 立地(駅・学区・周辺環境)
- 土地の形状・接道状況
- 建物の構造・劣化具合
- メンテナンス履歴・リフォーム状況
- 岡山エリアの需要動向
建築士の視点で特に重要なのが、構造部分の劣化状況です。
基礎のひび割れ、屋根の痛み、断熱性能の劣化などは、一般的な営業担当者では判断が難しい部分。ここを正しく見られるかどうかで、査定額の適正さが大きく変わります。
岡山の市場特性が査定額に与える影響(中区・南区・北区の違い)
岡山はエリアごとに需要が大きく異なります。
- 中区:子育て世帯に人気。築年数が古くても需要が高い
- 南区:駐車場が広い物件が好まれ、土地の形状が特に重要
- 北区:交通利便性が重視され、駅距離の影響が大きい
私が見てきた限りでは、同じ築年数・同じ広さでも、エリアで200〜400万円ほど差がつくことも珍しくありません。
岡山で家を売るなら、まずはこの「エリア特性」を知らないと始まりません。
建築士が語る「査定の本質」|見た目だけで判断すると損をする理由
岡山で800件以上の売却を支えてきた経験から言うと、「査定額が安くなる/高くなる一番の要因」は“見た目の綺麗さ”ではありません。建築士として物件を診ていると、築30年の家でも価値が高いケースもあれば、築15年でも大きく価値が下がる物件もあります。その違いを生むのは、構造・劣化・メンテナンスといった「外からは見えにくい部分」なんです。
築年数より重要な「構造・劣化状況」とは?
売主様に最も誤解されているのが、「古いから安い」「新しいから高い」という考え方です。
正直にいうと、これは半分正解で半分間違いです。
建築士として訪問査定をすると、築40年でもこういう家に出会うことがあります。
- 基礎がしっかりしている(鉄筋コンクリートの状態が良い)
- 屋根の防水が適切に保たれている
- シロアリ被害がない・過去にきちんと処理されている
- 雨漏り履歴がなく、内部の梁が健全
こうした「構造体の健康状態」が良ければ、築年数に関係なく評価は高くなります。
逆に、築15年でも…
- 屋根材の劣化が激しい
- 結露で構造材が痛んでいる
- 基礎に大きめのひび割れ
- 排水管の不具合
こうした問題がある物件は、表面的には綺麗でも市場評価は下がります。
査定の本質は“家がどれだけ長く安心して住める状態か”です。
そしてその判断には、建築士の視点が欠かせません。
リフォームの有無より“メンテナンス履歴”が価値を左右する
査定の現場で「リフォームしてないから安くなるんですよね?」と聞かれることがよくあります。
しかし、私が売主様に必ずお伝えしているのはこうです。
「リフォームより、これまでどうメンテナンスされてきたかのほうが価値になります」
例えば——
壁紙やフローリングを綺麗に張り替えていても、屋根の修繕が行われていなければ意味がありません。
逆に、見た目は古くても、
- 屋根補修
- 外壁塗装
- 給湯器交換
- シロアリ点検済み
など、住み続けるために必要な部分がきちんと手入れされていれば、買い手にとって大きな安心材料になります。
岡山は湿気が強い地域のため、特に「水まわりの劣化」「基礎の状態」は査定額に直結します。
査定では見落とされがちなポイント(基礎・屋根・断熱など)
建築士として現場に立つと、一般の営業担当者が見落とすポイントが多くあります。
特に価格に影響しやすいのは次の3つです。
- 基礎の状態
ひび割れの大きさ/方向/深さで価値は大きく変わる。 - 屋根・小屋裏(こやうら)の劣化
雨漏り跡・断熱材の劣化は、買い手の不安につながりやすい。 - 給排水管の状態
岡山の古い住宅では、配管交換が必要なケースが多く、査定額に影響。
実際、私がある中区の物件を査定した際、外観は古いものの、構造が非常にしっかりしており、小屋裏の状態も良好だったため、他社査定より180万円高く売却できたことがあります。
見た目だけで判断すると、こうした“隠れた価値”を見落としてしまうんです。
この章の結論として言えるのは——
「本当の査定額は、建物をどれだけ深く見られるかで決まる」
ということです。
次の章では、岡山エリアが“どんな市場環境なのか”、査定額にどう影響するのかを詳しくお話しします。
岡山エリアの不動産相場と売却の基礎知識
岡山で家を売るときに欠かせないのが、「地域ごとの相場を正しく理解すること」です。
不動産の価格は全国平均では判断できず、“岡山という土地のニーズに合っているかどうか”で大きく変わります。私は岡山市中区で長年仕事をしてきましたが、同じ築年数・同じ広さでも、中区・南区・北区で200〜400万円の差が出ることは珍しくありません。
ここでは、売主様がまず知っておくべき岡山の市場の特徴を分かりやすくお伝えします。
中区・南区・北区などエリアごとの需要と価格傾向
岡山の住宅需要は「生活動線・子育て環境・車移動のしやすさ」が価格を左右します。
■ 中区(人気エリア/子育て世帯の需要が強い)
- 教育・医療・商業施設が充実
- 古い戸建ても需要が安定
- 価格は岡山市内でも比較的高め
- “築年数が古い=売れにくい”が当てはまらないエリア
私自身、中区では築35〜45年の物件を高く売却できた例が多いです。
理由は「立地の良さは劣化しない」からです。
■ 南区(車移動が前提/土地の形状が価格を左右)
- 駐車スペースを重視する買い手が多い
- 区画の良し悪しが価格に直結
- 道路付けによって100〜200万円変動することも
- 倉庫や広い庭が好まれる傾向
実際、南区では「駐車2台可 → 3台可」に変えただけで成約率が大きく上がったケースがあります。
■ 北区(利便性重視/駅距離で相場が変わる)
- 岡山駅アクセスの影響が強い
- バス便の利便性次第で売却期間に差
- 価格の上下が出やすいエリア
北区は物件ごとの差が大きいので、“正確な相場の見極め”が特に重要です。
岡山の戸建てが高く売れるタイミング(季節・人口動向)
岡山では売却しやすい時期がはっきりしています。
1〜3月:最も動きやすい時期
・転勤・入学に合わせて買い手が増える
・売却期間が短くなる傾向
9〜11月:秋の動きが活発
・気候が良く、内見数が増える
・住宅ローン審査の動きも安定
反対に、
7〜8月はやや内見が減りやすいため、売り出し前の準備期間に使う方も多いです。
また、岡山は転勤族が一定数いるため、春先に高く売れる可能性が高いのが特徴です。
売主が知るべき「相場の見方」と誤解しやすいポイント
売主様からよく受ける質問がこちらです。
- 「ポータルサイトに似た物件が出ているけど、これが相場ですか?」
- 「近所が◯◯万円だったから、うちも同じくらいですよね?」
結論から言うと、それだけで相場は判断できません。
なぜなら…
①売り出し価格は“売りたい価格”であって、“売れる価格”ではない
→ 実際には100〜300万円下がって成約するケースが多い。
②土地・建物の状態が隣同士でも全く違う
→ メンテナンス履歴、構造、排水状況などは外から分からない。
③岡山は“生活導線”で価格が変わる
→ 駅・学校・買い物動線が大きく影響する。
さらに、相場を見る際に最も重要なのは、
「3ヶ月以内に売れた物件の成約価格を基準にする」 ことです。
売れ残り物件は“参考にならない価格”であることがほとんど。
私は必ず売主様に、「実際に売れた価格」をお伝えした上で適正価格をご提案しています。
次の章では、岡山の具体的な査定・売却成功事例を紹介します。
数字だけでは伝わらない“リアルな売却の現場”を知ることで、より明確にイメージできるはずです。
星野和樹の実例|岡山で実際にあった査定・売却成功事例
私はこれまで岡山で800件以上の売却をお手伝いしてきましたが、特に印象に残っているのは「建築士として建物の価値を正しく見抜いたことで、査定額が大きく変わり、売主様が本当に満足される結果になった事例」です。
ここでは、中区・南区・北区で実際にあった成功事例を3つご紹介します。
数字だけでは分からない、“どうして高く売れたのか”の要因も合わせてお伝えします。
中区の築38年戸建て:建築士診断で査定額+180万円になった例
岡山市中区で、築38年・木造2階建ての戸建てを売却されたA様。
他社の査定額は「1,280万円」。
しかし、訪問査定をして建物を細かく診断すると、以下のポイントが判明しました。
- 基礎の状態が非常に良い
- 屋根裏の断熱材が丁寧に施工されていた
- シロアリ跡なし(過去に定期処理済)
- 外壁シーリングの劣化が少ない
- 排水勾配も問題なし
これらは“外から見ただけでは絶対に分からない価値”です。
結果、私は 1,460万円 の適正価格を提示。
実際の成約価格は 1,450万円 と、他社査定よりも 170万円以上高い金額 で売却できました。
A様の言葉が今も忘れられません。
「築38年でこんなに価値があるなんて思いませんでした。
星野さん、建築士目線で見てくれて本当に良かったです。」
建物の真価は、築年数だけでは判断できません。
これは私が強くお伝えしたいポイントです。
南区の戸建て:高額査定で半年放置 → 適正価格で早期売却
南区でご相談いただいたB様のケース。
最初は大手不動産会社に査定を依頼し、「2,300万円」という高額査定を受け、そのまま媒介契約を締結されました。
しかし、結果は…
- 6ヶ月間内見わずか2件
- 値下げを繰り返すも反応なし
- 売れずに疲弊してしまう
B様が私のところに来られたのは、ちょうどそのタイミングでした。
建築士として建物を確認すると、
- 駐車場の取り回しが悪く車の出入りが難しい
- 敷地形状が買い手にとって使いづらい
- 水回り設備が劣化しており、近い将来交換が必要
- 南区の相場から見ても、2,300万円は現実的ではない
と分かり、私は 2,050万円 の価格を提案。
売主様は最初こそ驚かれていましたが、「適正価格」だとご説明した上で販売すると…
わずか23日で成約。
しかも、内見は3件、そのうち2組が購入検討という理想的な売却になりました。
この事例から学べるのは、
✔ 高額査定=早く売れる、ではない
という当たり前の真実です。
北区:古さがマイナスから“価値”に変わった成功例
北区で売却相談をいただいたC様の物件は、築42年の戸建て。
ポータルサイトに出ていた同年代の戸建てと比べると、
- 見た目は明らかに古い
- 室内も昔の間取りのまま
- 一見すると需要が少なそう
そう思われても仕方のない状態でした。
しかし、建築士として細かく確認すると…
- 木材の質が良く、構造に一切の痛みがない
- 断熱性能が当時としては高い仕様
- 建具が丁寧に作られており今でも十分使える
- 風の抜けが良い“暮らしやすい家”
という、「今の家にはない価値」が多く残っていました。
私はその魅力を丁寧にレポートにまとめ、
買い手の安心材料として情報公開したところ…
想定より120万円高い価格で売却成功。
“古い家だから売れない”というのは、実は大きな誤解です。
価値の見つけ方さえ分かれば、古さは武器になります。
事例から学べる「売主が最初に知るべき査定の真実」
3つの事例に共通しているのは次のポイントです。
- 高額査定よりも「適正価格」が結果的に高く売れる
- 建物の価値は見た目では分からない
- 建築士による査定で“隠れた価値”が明らかになる
- 岡山ではエリア特性による価格差が非常に大きい
つまり ——
「査定の質が、売却の結果を決める」
ということです。
次の章では、この記事全体のまとめと、売主様へのメッセージをお伝えします。
まとめ|岡山で家を売るなら、まず“正しい査定理解”から始めよう
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
岡山で家を売るうえで大切なのは、“高額査定”に一喜一憂することではなく、あなたの家の本当の価値を理解することです。建築士として多くの家を見てきた経験から言えるのは、査定の質が売却結果を大きく左右するということ。
この記事では、不動産査定の仕組み、建築士が重視するポイント、そして岡山ならではの相場・地域特性をご紹介しました。少しでも「なるほど」「知らなかった」と感じていただけたなら、それが売却成功への第一歩です。
あなたの大切な家には、必ず“その家にしかない価値”があります。
それを一緒に見つけていきましょう。
記事の核心的価値の再確認
- 査定の本質は「構造・劣化・メンテナンス」など、外から見えない部分にある。
- 岡山はエリア(中区・南区・北区)によって100〜400万円の価格差が出る。
- 高額査定よりも“適正価格”が、結局は早期売却・高値売却につながる。
- 建築士が診断することで、築古住宅でも隠れた価値を引き出せる。
- 成約価格こそが本当の相場であり、売出価格だけを見て判断しないことが重要。
これらを知っているだけで、売却の成功確率は格段に上がります。
無料相談・査定への温かい招待
もし今、
「うちの家はいくらくらいになるんだろう?」
「築年数が古いけど大丈夫かな?」
そんな不安があれば、どうか一人で抱え込まないでください。
私は建築士として、そして岡山で長く暮らす人間として、
あなたの家の価値を正直に、丁寧に、分かりやすくお伝えすることをお約束します。
- 中区・南区・北区、どのエリアでも対応
- 訪問査定・相談はもちろん無料
- 強引な営業や契約の催促は一切しません
まずはお気軽にご相談ください。
一緒に、あなたにとって最適な売却方法を見つけていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1:査定は複数社に依頼したほうがいいですか?
A:はい。ただし「高い金額を出した会社が良い」というわけではありません。建築士としての視点では、根拠のある査定額かどうかが最も重要です。査定根拠をしっかり説明してくれる会社を選ぶことをおすすめします。
Q2:築年数が古い家でも売れますか?
A:もちろん売れます。築40年でも構造がしっかりしていれば高く評価されます。岡山では特に“立地とメンテナンス”が価格を決める要素になります。古い家=売れない、というのは誤解です。
Q3:リフォームしてから売った方が高く売れますか?
A:状況によりますが、必要以上にリフォームをする必要はありません。多くの場合、最低限のメンテナンス確認(屋根・外壁・設備の状態)だけで十分です。無駄な出費を防ぐためにも、まずはご相談ください。
【最後の一言】
あなたの家には、数字では測れない価値があります。
建築士として、その価値を必ず見つけ出します。
まずは一緒に、最適な一歩を踏み出しましょう。

