- 高く売れるかどうかは最初の価格設定で決まる
相場ではなく「売れる根拠」を持った価格が、早期成約と高値を両立させます。 - 築年数よりも建物の中身が評価を左右する
構造・メンテナンス状況を正しく伝えることで、築古でも十分に評価されます。 - 誰に相談するかが売却成功の最大要因
数字だけでなく、建物と人生に向き合ってくれる相手を選ぶことが重要です。
「岡山で家を売りたい。でも、どうすれば少しでも高く、そして失敗せずに売れるのか分からない」
これは、私が岡山市中区で10年以上仕事をしてきて、最も多く聞いてきた声です。大手不動産会社に勤めていた頃、私は“高く見せる査定”が原因で、売主が時間もお金も失っていく現場を何度も見てきました。
一級建築士として、家の構造や劣化を正しく見れば、「高く売れる家」と「そうでない家」には明確な理由があります。
この記事では、岡山で実際に成果が出た事例をもとに、売主が本当に知っておくべき「家を高く売る5つのコツ」を、専門家の立場から正直にお伝えします。読み終えたとき、「何をすべきか」がはっきり見えるはずです。
岡山で家を高く売れる人・売れない人の決定的な違い
家の売却相談をしていると、「同じような家なのに、なぜあの人は高く売れて、こちらは売れ残るのか」と疑問に思われる方が多いです。建築士として、そして不動産の現場に長く立ってきた経験から言えることがあります。高く売れる人には、共通した“最初の判断”があるんです。逆に言えば、その判断を間違えると、どんなに良い家でも苦戦します。
最初の価格設定で9割が決まる理由
私の経験では、売却価格は「高く設定した者勝ち」ではありません。市場が最初に反応する価格帯に入っているかどうかが、すべての分かれ道です。
岡山市中区でもよくあるのが、「少し高めに出して、様子を見ましょう」というスタート。しかし、最初の2〜3週間で反応がない物件は、その後も苦戦するケースがほとんどです。理由は単純で、購入検討者は新着物件から見ているからです。
適正価格でスタートした家は、早い段階で内見が入り、結果として価格交渉も最小限で済みます。最初に強い印象を与えられるかどうか。これが、高く売れるかどうかを左右する最大のポイントです。
売主がやりがちな“もったいない行動”
「リフォームしないと売れませんよ」と言われ、不安になって数百万円かけてしまう売主も少なくありません。ですが、建築士の目で見ると、必ずしもそれが正解とは限らないんです。
例えば、使い勝手は古くても構造的に健全な家。こうした物件は、買主が自分好みにリフォームしたいと考えることも多く、下手に手を入れることで逆に魅力を下げてしまうこともあります。
また、複数社の査定額を見比べるだけで「一番高い会社」に決めてしまうのも典型的な失敗です。大切なのは金額ではなく、「なぜその価格で売れるのか」を説明できるかどうかなんです。
建築士の目で見た「評価される家」の共通点
高く売れる家には、共通点があります。それは“新しさ”ではありません。
構造がしっかりしていること、雨漏りやシロアリのリスクが低いこと、そして手入れが行き届いていること。築30年を超えていても、これらを満たしていれば、買主の評価は大きく変わります。
私が査定時に必ず見るのは、見た目よりも「中身」です。基礎、屋根、床下、これらを正しく伝えられるかどうかで、価格の説得力がまったく違ってきます。
次の章では、こうした視点を踏まえたうえで、家の価値を最大限に引き出す具体的なコツを解説していきます。
建築士が教える「家の価値」を最大化する5つのコツ
家を高く売るために特別な裏技があるわけではありません。大切なのは、建物の本当の価値を正しく理解し、それを“買主に伝わる形”に整えることです。私は一級建築士として、これまで800件以上の売却に関わってきましたが、「このポイントを押さえていれば結果は変わったのに」と感じる場面を何度も見てきました。ここでは、岡山で実際に成果が出ている、再現性の高い5つのコツをお伝えします。
コツ① 相場ではなく“売れる価格”を知る
売主の方が最初に調べるのが「相場」だと思います。もちろん相場は大切ですが、相場=あなたの家が売れる価格ではありません。
建築士の目から見ると、同じエリア・同じ築年数でも「評価される家」と「評価されにくい家」には明確な差があります。
例えば岡山市中区でも、
- 日当たりや道路付けが良い
- 建物の構造に不安がない
- 過去のメンテナンス履歴が残っている
こうした条件がそろっていれば、相場の“上側”で売れる可能性は十分あります。逆に、相場だけを基準に価格を決めてしまうと、本来評価されるはずの価値を自ら捨ててしまうこともあるんです。
大切なのは、「この家は、なぜこの価格で売れるのか」を説明できる価格設定です。
コツ② 査定前に必ず確認すべき建物ポイント
査定は不動産会社がするもの、と思っていませんか? 実は、売主自身が事前に把握しておくべきポイントがあります。
私が必ずチェックするのは、次のような部分です。
- 基礎に大きなひび割れがないか
- 雨漏りの痕跡がないか
- 床下や屋根裏の状態
- 給排水管の劣化状況
これらは、価格に直結する要素です。事前に把握しておけば、「後出しで値下げされる」リスクを防ぐことができます。
正直に言うと、問題があっても隠す必要はありません。むしろ、最初から開示し、価格に織り込んだ方が、結果的にスムーズに売却できるケースが多いんです。
コツ③ リフォームすべき所・しなくていい所
「古いから、リフォームしないと売れませんよ」
これは、売主が一番不安になる言葉です。でも、私の経験では、全面リフォームが必要なケースはごく一部です。
例えば、
- 壁紙の汚れ → 清掃で十分
- 設備が古い → 買主が交換前提
- 間取りが昔風 → リノベ希望層にはプラス
一方で、雨漏りやシロアリなど“構造に関わる問題”は放置できません。
お金をかけるべき所と、かけなくていい所を見極める。この判断ができるかどうかで、売却後に手元に残る金額は大きく変わります。
コツ④ 写真と見せ方で印象は大きく変わる
ネット掲載の時代、最初に家を見に来るのは「人」ではなく「写真」です。
岡山市中区でも、写真の撮り方ひとつで反響数が2倍以上変わった例は珍しくありません。
ポイントは、
- 明るい時間帯に撮影する
- 生活感を減らす
- 部屋の広さが伝わる角度を意識する
高価なカメラは必要ありません。大切なのは「買主の目線」です。
ここを意識するだけで、「同じ家なのに印象が全然違う」と言われることも多いんです。
コツ⑤ 相談する相手を間違えない
最後に、そして一番重要なのが「誰に相談するか」です。
査定額が高い=良い不動産会社、ではありません。
- 建物の状態をきちんと見てくれるか
- リスクやデメリットも説明してくれるか
- 売却後の流れまで具体的に話してくれるか
これらを丁寧に説明できる相手かどうかが、成功の分かれ道です。
家は、ただの数字ではありません。あなたの人生が詰まった資産です。その価値を一緒に守ってくれる相手を選んでください。
岡山市中区の不動産市場と価格のリアルな傾向
「中区なら高く売れますよね?」
これは、相談の場で本当によく聞かれる質問です。確かに岡山市中区は人気エリアですが、建築士として、そして不動産の現場に立ち続けてきた立場から言うと、「中区だから高く売れる」というほど単純ではありません。エリア内でも、価格が伸びやすい場所と、そうでない場所には明確な差があります。
中区で高く売れやすいエリアの特徴
中区で比較的高値成約しやすいのは、次の条件が重なっているエリアです。
- 生活利便施設(スーパー・病院・公園)が徒歩圏内
- 学区の評判が安定している
- 駅や主要道路へのアクセスが良い
- 周辺に新築・築浅住宅が点在している
例えば、原尾島・高島周辺では、築年数が経っていても「立地評価」で価格が支えられるケースが多く見られます。一方で、同じ中区でも、バス便のみ・周辺環境に変化が少ない地域では、価格の伸びは限定的です。
エリア評価は、「住所」ではなく「暮らしやすさ」で決まる。これが現場の実感です。
学区・駅距離が価格に与える影響
売却価格に影響する要素として、学区と駅距離は無視できません。
特に中区では、子育て世帯の購入検討が多いため、
- 小学校までの距離
- 通学路の安全性
- 周辺環境の落ち着き
こうした点が、価格交渉時に強く意識されます。
また、駅徒歩圏でなくても、「バス停が近い」「主要幹線道路に出やすい」といった条件があれば、一定の評価はされます。ただし、「駅まで遠いが何もない」という立地の場合、価格調整は避けられません。
築年数別に見た売却の現実ライン
築年数についても、多くの売主が誤解しています。
築浅=高く売れる、築古=売れない、というわけではありません。
- 築10年以内:状態が良ければ高値維持しやすい
- 築20〜30年:建物評価より立地・構造が重要
- 築30年以上:土地評価+建物の健全性がカギ
私の経験では、築30年以上でも、構造がしっかりしていて雨漏りなどの不安がなければ、十分に買い手は付きます。逆に、築浅でもメンテナンス不足の家は、価格交渉が厳しくなります。
「何年経っているか」より、「どう使われ、どう保たれてきたか」。これが価格を左右する本当の基準です。
実例公開|岡山市中区で実際に高く売れた成功事例
ここまで読んで、「理屈は分かったけど、実際どうなの?」と感じている方も多いと思います。そこでこの章では、私が実際に岡山市中区でお手伝いした売却事例を、包み隠さずご紹介します。どれも特別な裏技を使ったわけではありません。ただ、“正しい判断”を積み重ねただけです。
築30年戸建てが想定以上で売れた理由
原尾島エリアでの事例です。築30年を超える戸建てで、売主様は「正直、土地値くらいでしか売れないと思っています」とおっしゃっていました。
確かに、内装は年数相応でしたが、建築士として拝見すると、基礎・構造・屋根の状態は非常に良好。過去の修繕履歴もきちんと残っていました。
そこで行ったのは、
- 無理なリフォームはしない
- 建物の“中身”を正しく伝える
- 価格は相場の上限寄りで設定
結果、想定より早く内見が入り、価格交渉も最小限で成約。
売主様からは「古い家でも、ちゃんと見てくれる人がいるんですね」と言っていただきました。これは、家の価値を正しく言語化できたからこその結果です。
価格を下げずに早期成約できたケース
高島エリアの築20年台の戸建てです。
他社では「この価格では厳しい」と言われていたそうですが、私は建物を見て、価格を下げる必要はないと判断しました。
理由は、
- 日当たりと立地が非常に良い
- 生活動線が分かりやすい
- 大きな修繕リスクがない
販売開始後、最初の2週間で複数の問い合わせが入り、結果的に値下げなしで成約。
売却では、「最初の反応」が何より大切だということを、改めて実感した事例です。
失敗しかけた売却を立て直した実例
最後は、少し苦いスタートだった事例です。
中区内の別エリアで、一括査定を利用し、高額査定を信じて売り出したものの、3か月以上反応がなかった売主様からのご相談でした。
物件自体に大きな問題はありませんでしたが、
- 価格が市場とかけ離れていた
- 建物の説明が不十分
- 写真の印象が弱い
これらを一つずつ見直し、価格を“売れるライン”に調整。建物の状態も正直に伝え直しました。
すると、再掲載後まもなく内見が入り、無事に成約。
売主様は「もっと早く相談すればよかった」とおっしゃっていましたが、私は「途中からでも立て直せて良かった」と思っています。
まとめ|岡山で後悔しない家売却のために
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
岡山市中区を中心に、これまで多くの売主様の売却をお手伝いしてきましたが、強く感じることがあります。それは、「家の売却は、最初の判断でほぼ結果が決まる」ということです。
高く売れた方に共通しているのは、無理な期待をせず、建物の状態と市場を正しく理解したうえで行動している点です。一方で、「もう少し様子を見よう」「とりあえず高く出してみよう」という判断が、結果的に値下げや長期化につながるケースも少なくありません。
家は、ただの不動産ではありません。あなたやご家族の時間が刻まれた、大切な資産です。その価値を、正しく評価し、次の方へつなぐ。それが、後悔しない売却につながると私は考えています。
この記事で伝えた5つの核心ポイント
・相場ではなく「売れる根拠のある価格」を知ること
・建物の中身(構造・劣化)を正しく把握すること
・無理なリフォームは不要なケースが多いこと
・見せ方(写真・情報開示)で反響は大きく変わること
・相談相手を間違えないことが最大の成功要因であること
これらは、特別なテクニックではありません。私が800件以上の売却を通じて、実際に結果が出た“再現性のある考え方”です。
まずは「正しく知る」ことから始めませんか
「うちの場合はいくらで売れそうか」
「今、売るべきか、それとも待つべきか」
こうした疑問を持つのは、ごく自然なことです。
もし少しでも不安や迷いがあれば、いきなり売却を決める必要はありません。まずは、建築士と宅建士、両方の視点から“今の状況”を整理してみてください。
私は、無理に売却を勧めることはありません。
あなたの家が「今売るべきか」「どう売るのが最善か」を、一緒に考える存在でありたいと思っています。
岡山市中区はもちろん、岡山市内全域でご相談をお受けしています。
まずはお気軽に、無料相談・無料査定をご利用ください。
「相談してよかった」
そう思っていただける時間を、お約束します。

