事故物件売却手続きで押さえるべき3つのこと
重要ポイント | 具体的な手順 | 目安期間・費用 |
---|---|---|
特殊清掃と準備 | ・特殊清掃の実施 ・遺品整理 ・必要に応じて相続登記 | 2週間~1ヶ月 30~80万円 |
不動産会社選定 | ・複数社での査定比較 ・事故物件実績の確認 ・告知書類の作成 | 2週間~1ヶ月 手数料3~3.6% |
売却方法の選択 | ・仲介(高値重視) ・買取(早期売却) ・更地(イメージ一新) | 仲介:3~6ヶ月 買取:2週間~ 更地:1~3ヶ月 |
事故物件の売却では、一般の不動産取引とは異なる独自の手続きや注意点があります。2021年10月の国交省ガイドラインにより、告知義務の基準は明確になりましたが、売却方法や価格設定には専門的な知識が必要です。この記事では、具体的な手順からよくある疑問まで、実務経験に基づいて徹底解説します。目次を見て必要なところから読んでみてください。
事故物件の売却手続き|具体的な流れを徹底解説
事故物件の売却を考えている方は、一般的な不動産売却とは異なる独特の手続きや注意点があることを知っておく必要があります。ここでは、事故物件を売却する際の具体的な流れを、実務経験に基づいて解説します。
事故物件売却の手続き①特殊清掃と遺品整理
事故物件の売却で最初に行うべきは、特殊清掃と遺品整理です。一般的なハウスクリーニングとは異なり、特殊な技術や専門的な知識が必要となります。
- 特殊清掃の主な作業内容
- 消臭・除菌処理
- 床材や壁紙の張り替え
- エアコンなど設備の洗浄
- 害虫駆除(必要な場合)
【特殊清掃の費用目安と期間】
間取り | 費用相場 | 作業期間 |
---|---|---|
1R~1K | 15~30万円 | 2~3日 |
2DK~2LDK | 25~45万円 | 3~4日 |
3LDK以上 | 40~80万円 | 4~7日 |
上記の費用は標準的な場合の目安です。物件の状態によって変動する可能性があります。
遺品整理については、故人のプライバシーに配慮しながら、丁寧に進めることが重要です。特に以下の点に注意が必要です:
- 重要書類の確認と保管
- 思い出の品の仕分け
- 廃棄物の適切な処理
- 賃貸物件の場合は、管理会社への報告
事故物件売却の手続き②相続登記(必要な場合)
物件の名義人が亡くなっている場合は、相続登記が売却の前提条件となります。相続登記を行わないまま売却手続きを進めることはできません。
相続登記に必要な主な書類:
- 戸籍謄本一式
- 住民票
- 印鑑証明書
- 固定資産評価証明書
- 遺産分割協議書(法定相続人が複数の場合)
【相続登記の費用目安】
物件価格 | 司法書士報酬(目安) |
---|---|
~500万円 | 10~15万円 |
~1000万円 | 15~20万円 |
~2000万円 | 20~30万円 |
相続人が複数いる場合は、売却について全員の同意を得ることが重要です。実務上、この合意形成に時間がかかるケースが少なくありません。
事故物件売却の手続き③不動産会社選びと査定
事故物件に精通した不動産会社を選ぶことは、スムーズな売却の鍵となります。以下のポイントに注意して選定しましょう。
【不動産会社選びの重要ポイント】
チェック項目 | 具体的な確認事項 |
---|---|
事故物件の取扱実績 | 年間取扱件数、成約実績 |
提携サービス | 特殊清掃業者、お祓いなどの手配 |
価格設定の根拠 | 査定額の算出方法、近隣相場との比較 |
サポート体制 | 担当者の知識、経験年数 |
複数の不動産会社に査定を依頼することで、適正な売却価格の見極めが可能になります。一般的に事故物件は、通常物件と比べて以下のような価格設定になります:
- 自然死・不慮の事故:10~20%程度の価格低下
- 自殺:20~40%程度の価格低下
- 他殺:30~50%程度の価格低下
事故物件売却の手続き④告知書類の作成ポイント
事故物件の売却では、適切な告知が特に重要です。以下の情報を正確に記載する必要があります。
必須記載事項:
- 事故発生日時
- 事故の種類(自然死、事故死、自殺など)
- 発生場所(部屋の具体的な場所)
- 特殊清掃の実施状況
- その他の補修・改装履歴
【告知書類作成時の注意点】
項目 | 具体的な対応 |
---|---|
事実関係 | 客観的事実のみを記載 |
記載範囲 | 必要以上の詳細は避ける |
表現方法 | 簡潔で明確な文言を使用 |
添付書類 | 清掃証明書などを準備 |
事故物件売却の手続き⑤契約・決済までの注意点
最終段階では、買主の理解と同意を確実に得ることが重要です。以下のプロセスを丁寧に進めましょう。
契約時の重要ステップ:
- 重要事項説明での告知内容の確認
- 買主からの質問への誠実な回答
- 契約書への告知事項の明記
- 決済時の物件状態の最終確認
【契約・決済時のチェックリスト】
確認項目 | 注意点 |
---|---|
告知書の内容確認 | 買主の理解度を確認 |
物件の現状説明 | 清掃・修繕状況を説明 |
決済書類の準備 | 登記関係書類の確認 |
引き渡し条件 | 残置物の有無、鍵の引き渡し |
事故物件の売却は通常の不動産取引以上に慎重な対応が求められます。各手続きにおいて専門家のアドバイスを受けながら、透明性の高い取引を心がけることが、スムーズな売却につながります。
事故物件の基礎知識|売却前に確認すべきこと
事故物件の売却を検討されている方にとって、まず理解しておきたいのが基本的な定義と規則です。実務経験から得た知見をもとに、わかりやすく解説していきます。
事故物件とは?告知が必要なケースと不要なケース
事故物件というと、すぐに自殺や他殺を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際の定義はもっと広範です。
【事故物件の判断基準】
状況 | 告知義務 | 備考 |
---|---|---|
自然死(病死・老衰) | 原則不要 | 特殊清掃が必要な場合は告知 |
自殺 | 必要 | 時期を問わず告知が必要 |
他殺 | 必要 | 時期を問わず告知が必要 |
不慮の事故死 | 状況による | 日常生活での事故は不要 |
近年増加している孤独死については、発見までの期間や室内の状態によって判断が分かれます。たとえば、発見が遅れて特殊清掃が必要になった場合は、事故物件として扱われることになります。
事故物件の売却相場はいくら?原因別の価格下落率
事故物件の売却価格は、一般的な相場から一定程度の値引きが必要になります。
- 価格下落の主な要因
- 心理的嫌悪感による需要減
- 特殊清掃費用の考慮
- 近隣評価への影響
【事故物件の価格下落率】
原因 | 下落率 | 回復期間の目安 |
---|---|---|
自然死(特殊清掃あり) | 10~15% | 2~3年 |
自殺 | 20~30% | 5~10年 |
他殺 | 30~50% | 10年以上 |
この表は一般的な目安であり、立地や物件の状態によって変動することがあります。高級住宅街ほど下落率が大きくなる傾向にあります。
国交省ガイドラインで定める告知義務の基準
2021年10月に施行された国土交通省のガイドラインにより、告知義務の基準が明確になりました。これにより、不動産業者の対応も統一されつつあります。
ガイドラインのポイント:
- 自然死は原則として告知不要
- 日常生活での事故死も告知不要
- 特殊清掃を要した場合は告知必要
- 賃貸の場合は3年経過で告知不要
【告知が必要な期間】
取引形態 | 告知期間 | 備考 |
---|---|---|
売買 | 期限なし | 更地化しても継続 |
賃貸 | 約3年間 | ガイドラインで明確化 |
区分所有 | 共用部は要確認 | 管理組合への確認必要 |
事故物件を隠して売ると損害賠償のリスクも
事故物件であることを隠して売却すると、重大な法的リスクが発生します。実際の裁判例を見ても、売主側が敗訴するケースが多くなっています。
【告知義務違反の影響】
請求内容 | 賠償額の目安 | 判例での傾向 |
---|---|---|
売買契約の解除 | 売買代金の全額 | 認められやすい |
損害賠償 | 20~50%程度 | 物件価値の下落分 |
慰謝料 | 30~100万円 | 事案の重大性による |
最近では、インターネットの普及により事故物件情報が拡散しやすくなっています。近隣住民からの情報提供で発覚するケースも少なくありません。
特に注意すべきリスク:
- 契約解除による引っ越し費用負担
- 二重ローンのリスク
- 信用失墜による将来的な不利益
- 刑事責任を問われる可能性
事故物件の売却では、正直な告知と適正な価格設定が、むしろスムーズな売却につながります。経験豊富な不動産会社に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。
事故物件の3つの売却方法|メリット・デメリットを比較
事故物件を売却する方法は大きく3つあります。それぞれの特徴を理解し、物件の状況や売主の希望に合わせて最適な方法を選びましょう。
事故物件の仲介売却|高値で売れる可能性と時間的課題
仲介売却は、不動産会社が売主と買主の間に入って取引を進める一般的な売却方法です。高値での売却が期待できる半面、買主が見つかるまでに時間がかかる傾向があります。
【仲介売却のポイント比較】
項目 | 内容 | 補足 |
---|---|---|
売却価格 | 相場の70~90% | 事故の種類により変動 |
売却期間 | 3~12ヶ月 | 立地条件により変動 |
手数料 | 約3~3.6% | 物件価格により変動 |
特に注意したいのが媒介契約の種類の選択です:
- 一般媒介:複数の不動産会社に依頼可能
- 専任媒介:一社のみに依頼(インターネット掲載可)
- 専属専任媒介:一社のみに依頼(営業活動報告あり)
事故物件の買取売却|スピード重視なら検討したい選択肢
買取売却は、不動産会社が直接物件を購入する方法です。最短2週間程度での売却が可能ですが、価格は仲介売却より低めになります。
- 買取売却のメリット
- 早期売却が可能
- 現状のままでの売却OK
- 近隣に売却を知られにくい
【買取価格の目安】
事故の種類 | 買取価格率 | 売却期間 |
---|---|---|
自然死 | 相場の60~70% | 2~3週間 |
自殺 | 相場の50~60% | 2~4週間 |
他殺 | 相場の40~50% | 要相談 |
事故物件の更地売却|建物解体で印象を変える方法
建物を解体して更地にしてから売却する方法も選択肢の一つです。心理的な抵抗感を軽減できる可能性がありますが、解体費用の検討が必要です。
【更地化のメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
イメージの改善 | 解体費用が必要 |
用途の自由度UP | 固定資産税増加 |
売却先の選択肢増加 | 告知義務は継続 |
実際の解体費用の目安:
- 木造一戸建て:100~150万円
- RC造マンション:200~300万円
- 取り壊し後の整地:20~30万円
マンションの事故物件|共用部分での事故と売却への影響
マンションの場合、事故が起きた場所によって対応が変わってきます。特に共用部分での事故は、建物全体に影響を及ぼす可能性があります。
【マンションでの事故発生場所による影響】
発生場所 | 告知範囲 | 価格への影響 |
---|---|---|
専有部分 | 当該住戸のみ | 一般的な事故物件と同様 |
エレベーター | 建物全体 | 全体で5~10%程度の下落 |
エントランス | 建物全体 | 全体で5~10%程度の下落 |
駐車場 | 状況による | 影響は限定的 |
マンションならではの注意点:
- 管理組合への報告義務
- 他の区分所有者への配慮
- 修繕積立金の清算
- 管理規約の確認
事故物件の売却方法は、物件の状況や売主の希望する売却時期、価格などを総合的に判断して選びましょう。その際は、経験豊富な不動産会社に相談し、最適な方法を決めることをお勧めします。
事故物件をなるべく高く売却するためのポイント
事故物件を少しでも高く売却するためには、物件の価値を上げるための工夫が欠かせません。ここでは、実務経験に基づいた具体的な方法をご紹介します。
特殊清掃・リフォームで事故物件の価値を上げる方法
事故物件の価値を上げる第一歩は、徹底的な特殊清掃とリフォームです。一般的な清掃では取り切れない臭いや痕跡を専門的な技術で除去することで、物件の印象を大きく改善できます。
【特殊清掃・リフォームの効果】
施工内容 | 価格への影響 | 所要期間 |
---|---|---|
特殊清掃のみ | +5~10% | 3~7日 |
内装リフォーム | +10~15% | 2~4週間 |
全面リフォーム | +15~25% | 1~2ヶ月 |
重要なリフォームポイント:
- 床材の全面交換
- 壁紙の貼り替え
- 水回りの改修
- 照明器具の交換
お祓い・供養の実施で心理的不安を軽減するコツ
お祓いや供養は、買主の心理的な不安を和らげる効果があります。実際の売却事例でも、適切な供養を行うことで成約までの期間が短縮されたケースが多く見られます。
【お祓い・供養の種類と特徴】
方法 | 費用目安 | 特徴 |
---|---|---|
神式お祓い | 5~10万円 | 建物全体の清め |
仏式供養 | 10~15万円 | 故人の供養中心 |
複合供養 | 15~20万円 | 総合的な対応 |
不動産会社から見た効果:
- 内見時の印象改善
- 価格交渉での優位性確保
- 近隣とのトラブル防止
事故物件の売り出しタイミングと価格設定の戦略
売り出しのタイミングと価格設定は、成約までの期間に大きく影響します。市場の状況を見極めながら、段階的な価格調整を行うことが重要です。
実践的な価格設定の例:
- 初期設定:相場の85~90%
- 1ヶ月後:相場の80~85%
- 3ヶ月後:相場の75~80%
【季節別の売り出し適期】
時期 | おすすめ度 | 理由 |
---|---|---|
春(3~5月) | ◎ | 引越しシーズン |
夏(6~8月) | △ | 商談数減少 |
秋(9~11月) | ○ | 年末に向けて需要増 |
冬(12~2月) | △ | 年末年始で停滞 |
事故物件でも買主が見つかりやすい工夫とは
買主を見つけやすくするためには、物件の良い面を最大限にアピールすることが重要です。特に以下の点に注目して対策を立てましょう。
- 物件の強みとなるポイント
- 日当たりの良さ
- 駅からの距離
- 収納の充実度
- リフォーム履歴
【効果的なアピールポイント】
項目 | アピール方法 | 効果 |
---|---|---|
立地条件 | 利便性の具体的説明 | 物件価値の再認識 |
設備状況 | 新規交換部分の明示 | 維持管理状態のアピール |
価格訴求 | 周辺相場との比較 | 投資価値の理解促進 |
事故物件であっても、適切な対策と戦略的な販売活動を行うことで、一定の価格での売却が可能です。ただし、焦って早急な判断をするのではなく、市場の状況を見極めながら段階的に対応を進めていくことが重要です。
事故物件の価格交渉と値引きの進め方
事故物件の価格交渉には、一般の不動産取引とは異なる独特の配慮が必要です。実際の取引事例を基に、効果的な交渉方法をご紹介します。
事故物件特有の価格交渉のコツと対応方法
事故物件の価格交渉では、物件の状態と市場価値を正確に把握することが重要です。
【事故物件の価格交渉ポイント】
交渉フェーズ | 重要項目 | 具体的な対応 |
---|---|---|
初期相場設定 | 周辺相場の80~90% | 値引き余地を残す |
内見対応時 | 改修箇所の説明 | 投資価値をアピール |
条件交渉時 | 具体的な根拠提示 | 周辺事例との比較 |
- 効果的な交渉の進め方
- 物件の良い点を先に説明
- 事故の状況は質問に応じて説明
- 改修・清掃状況を具体的に提示
- 将来的な価値の可能性を示唆
買主からの値引き要求にどこまで応じるべきか
買主からの値引き要求は想定内の対応として準備が必要です。相場からの値引き幅に一定の基準を設けることで、交渉をスムーズに進められます。
【値引き要求への対応基準】
要求内容 | 対応方針 | 補足 |
---|---|---|
相場より10%以内 | 柔軟に検討 | 一般的な範囲 |
相場より20%以内 | 条件付き検討 | 決済時期などで調整 |
相場より30%以上 | 原則応じない | 次の購入者を待つ |
不動産実務の経験則として、内見時の反応が良好な買主からの値引き交渉は、比較的まとまりやすい傾向があります。
事故物件売却での売主の譲歩できる範囲の見極め方
売主側の譲歩範囲を決める際は、ローン残債や諸経費を考慮した最低限の手取り額を設定することが重要です。
必要経費の主な項目:
- 媒介手数料(約3%)
- 抵当権抹消費用
- 残債返済額
- 引越し費用
【譲歩範囲の判断基準表】
売却希望価格 | 譲歩可能額 | 判断のポイント |
---|---|---|
3000万円の場合 | 200~300万円 | 諸経費考慮 |
2000万円の場合 | 100~200万円 | 手取り額重視 |
1000万円の場合 | 50~100万円 | 最低ライン設定 |
物件種別(マンション・戸建て)による価格交渉の違い
マンションと戸建では、価格交渉の進め方に違いがあります。物件種別特有の価値基準を理解しておくことが大切です。
マンションの場合の交渉ポイント:
- 他の住戸との価格差
- 管理状態の良さ
- 修繕積立金の額
- エレベーターからの距離
【物件種別による価格交渉の特徴】
項目 | マンション | 戸建て |
---|---|---|
価格設定基準 | 同一建物内の相場 | 近隣物件の相場 |
重視される要素 | 管理状態・設備 | 土地の広さ・日当たり |
交渉の柔軟性 | やや低い | 比較的高い |
事故物件の価格交渉は、一般の取引以上に買主の心理面への配慮が必要です。適切な価格設定と丁寧な説明を心がけることで、双方が納得できる条件での成約を目指しましょう。
事故物件売却に強い不動産会社の選び方
事故物件の売却を成功させるには、経験豊富な不動産会社選びが重要です。適切なパートナー選びのポイントを実務経験に基づいて解説します。
事故物件取扱実績のチェックポイント5つ
信頼できる不動産会社を選ぶための重要な5つのチェックポイントをご紹介します。
【事故物件取扱実績の確認ポイント】
チェック項目 | 具体的な確認内容 | 判断基準 |
---|---|---|
年間取扱件数 | 事故物件の成約実績 | 10件以上が目安 |
提携サービス | 特殊清掃・リフォーム | 一括対応可能か |
担当者の経験 | 事故物件専門の担当有無 | 3年以上の経験 |
エリアの精通度 | 地域相場の把握状況 | 周辺事例の有無 |
アフターフォロー | 売却後のサポート体制 | 具体的な対応例 |
実績豊富な不動産会社は、買主とのスムーズな価格交渉や、近隣対応のノウハウを持っています。
事故物件の査定額を複数社で比較するコツ
適切な売却価格を見極めるには、最低でも3社以上の査定を比較することをお勧めします。
- 査定依頼時の重要項目
- 事故の種類と発生時期
- 特殊清掃の実施状況
- リフォーム履歴
- 近隣への説明状況
【査定額の比較ポイント】
確認事項 | 主なチェック内容 |
---|---|
査定根拠 | 具体的な算出方法の説明 |
価格設定 | 段階的な価格調整の提案 |
販売戦略 | 買主候補への訴求方法 |
手数料体系 | 諸経費の明確な内訳 |
仲介・買取の選択基準と各社の見積もり確認方法
仲介と買取、それぞれの特徴を理解した上で、自分の状況に合った売却方法を選びましょう。
【仲介・買取の比較表】
項目 | 仲介売却 | 買取売却 |
---|---|---|
所要期間 | 3~6ヶ月 | 2週間~1ヶ月 |
売却価格 | 相場の70~90% | 相場の50~70% |
手数料 | 3~3.6% | 基本的になし |
手続きの手間 | やや多い | 比較的少ない |
この表からわかる通り、仲介は高値期待、買取は早期売却と、それぞれに特徴があります。
オンライン査定・売却の注意点と限界
最近増えているオンライン査定ですが、事故物件の場合は実地調査が必須です。
- オンライン査定の限界
- 物件の正確な状態把握が困難
- 特殊清掃の必要性判断ができない
- 近隣状況の確認ができない
【オンライン査定と訪問査定の比較】
項目 | オンライン査定 | 訪問査定 |
---|---|---|
所要時間 | 数分 | 30分~1時間 |
精度 | 参考程度 | 正確な査定可能 |
細部確認 | 困難 | 詳細チェック可能 |
相談対応 | 限定的 | 具体的な提案可能 |
事故物件の売却では、経験豊富な不動産会社による実地調査と詳細な打ち合わせが欠かせません。オンライン査定は、あくまでも参考値として活用することをお勧めします。
事故物件売却でよくある質問と解決方法
事故物件の売却に関して、多くの方が不安や疑問を抱えています。ここでは、実務経験から得られた知見を基に、よくある質問への具体的な回答をご紹介します。
事故物件の告知義務はいつまで続くの?
事故物件の告知義務について、賃貸と売買では期間が異なります。2021年10月の国交省ガイドラインにより、基準が明確になりました。
【取引形態別の告知義務期間】
取引形態 | 告知期間 | 備考 |
---|---|---|
売買取引 | 期限なし | 建物解体後も継続 |
賃貸取引 | 約3年間 | 事案発生から起算 |
区分所有建物 | 個別判断 | 共用部分は要確認 |
特に注意が必要なのは、以下のケースです:
- 建物を解体して土地のみ売却する場合も告知必要
- マンションの共用部分での事故は管理組合への確認必須
- 近隣からの情報提供で発覚するケースも
築古の事故物件は売却できる?価格相場は?
築古物件であっても、適切な対策と価格設定で売却は可能です。ただし、築年数と事故物件という二重のハンディを考慮した価格設定が必要になります。
【築年数と事故物件の価格への影響】
築年数 | 一般物件 | 事故物件 |
---|---|---|
築10年以内 | 相場の80~90% | 相場の60~70% |
築20年以内 | 相場の70~80% | 相場の50~60% |
築30年以上 | 相場の60~70% | 相場の40~50% |
この表は一般的な目安です。立地条件や管理状態により変動する可能性があります。
住宅ローン残債がある事故物件の売却方法
ローン残債がある場合は、売却金額から残債を返済できるかが重要なポイントとなります。
- 事前確認が必要な事項
- 現在の残債額
- 一括返済時の違約金
- 物件の想定売却額
- 諸費用の見込み額
【残債がある場合の対応方法】
状況 | 対応策 | 必要な準備 |
---|---|---|
残債<売却額 | 通常売却 | 金融機関への事前相談 |
残債>売却額 | 任意売却 | 不足分の返済計画 |
要追加費用 | 借り換え | 新規融資の検討 |
近隣への配慮と説明はどこまで必要?
近隣への対応は、売却をスムーズに進めるための重要なポイントです。
【近隣対応のガイドライン】
対象者 | 説明内容 | 注意点 |
---|---|---|
直接の隣家 | 売却予定の報告 | 具体的な事故内容は控える |
同一フロア | 内見時の挨拶程度 | 必要最小限の情報提供 |
その他住民 | 状況により判断 | 質問があれば誠実に対応 |
事故物件の売却期間の目安と成約のコツ
事故物件の売却には、通常より長めの期間を想定しておく必要があります。具体的な売却期間は物件の状況により大きく異なります。
- 一般的な売却期間の目安
- 仲介売却:3~6ヶ月
- 買取売却:2週間~1ヶ月
- 更地売却:1~3ヶ月
【成約率を上げるためのポイント】
施策 | 効果 | 実施時期 |
---|---|---|
特殊清掃 | ◎ | 売出し前 |
価格調整 | ○ | 3ヶ月目安 |
エリア拡大 | △ | 6ヶ月目安 |
事故物件の売却では、焦らず着実に進めることが重要です。不動産のプロと相談しながら、最適な売却方法を選択することをお勧めします。
事故物件の売却をお考えなら!おすすめ買取業者5社を徹底比較
事故物件の買取業者選びでお悩みの方へ、最適な売却先を見つけるためにおすすめの5社を徹底比較しました。20社も30社も比較されたって、結局どこがいいのかわかりませんよね。この記事では、本当におすすめできる業者を5社に絞り込み、各社特徴や強み、実績を詳しく解説し、あなたにぴったりの買取業者選びをサポートします。
ワケガイ – 迅速さを重視する方に最適
特徴とサービス内容
ワケガイは、事故物件や共有名義物件など「訳あり不動産」に特化した買取サービスを提供する業者です。特にスピーディな対応力が評判です。
主な強み
- 最短1日で買取完了、即日現金化が可能。
- 全国対応で査定から契約まで手数料は一切無料。
- 法的トラブルにも専門家が対応可能。
買取実績
- 共有名義の不動産を500万円で買取。
- 再建築不可物件を250万円でスムーズに処理。
おすすめの方
複雑な物件でも迅速に現金化したい方。
成仏不動産 – 供養や清掃を含めた安心サポート
特徴とサービス内容
事故物件専門の成仏不動産は、売却だけでなく清掃や供養サービスも提供する業者です。精神的な負担を軽減するトータルサポートが魅力。
主な強み
- 最短即日で現金化可能。
- 遺品整理や特殊清掃を含む「持ち出し0円プラン」を提供。
- 自殺や他殺物件も適正価格で買取。
買取実績
- 千葉県のゴミ屋敷を高額で買取。
- 自殺物件を迅速に処理し、売主の負担を軽減。
おすすめの方
事故物件の売却に加え、清掃や供養を求める方。
ラクウル – 高額査定と幅広い対応力
特徴とサービス内容
ラクウルは、事故物件や訳あり物件の買取に強みを持ち、投資家ネットワークを活用した高価買取が期待できます。
主な強み
- 投資家ネットワークを駆使し、高額買取を実現。
- 最大5億円までの買取に対応可能。
- 法律問題や特殊清掃もワンストップ対応。
買取実績
- ゴミ屋敷を100万円で買取。
- 違法建築物件を迅速に処理。
おすすめの方
高額査定を希望し、多様な物件に対応できる業者をお探しの方。
Alba Link(アルバリンク) – 透明性重視の安心取引
特徴とサービス内容
上場企業が運営するアルバリンクは、信頼性と透明性を兼ね備えたサービスで、多くの事故物件を迅速に現金化してきた実績があります。
主な強み
- 24時間365日対応の迅速サービス。
- 自社保有による高額査定が可能。
- 複雑な法的問題にも弁護士法人と提携して対応。
買取実績
- 豊橋市で事故物件を550万円で買取。
- 船橋市で共有持ち分物件を920万円で買取。
おすすめの方
信頼性の高い取引を希望する方。
事故物件買取センター – 業界トップクラスの事故物件専門業者
特徴とサービス内容
事故物件買取センターは、特殊清掃から遺品整理まで対応するワンストップサービスが強みの業界トップクラスの業者です。
主な強み
- 最短3日で現金化。
- 仲介手数料が一切不要の直接買取。
- 瑕疵担保責任免責で、売却後のトラブルなし。
買取実績
- 板橋区の自殺物件を2,650万円で買取。
- 相模原市の火災物件を1,000万円で買取。
おすすめの方
迅速な売却や他社で断られた物件を売りたい方。