事故物件を確実に処分するための3つの重要ポイント
重要ポイント | 具体的な対応 | 期待できる効果 |
---|---|---|
適切な売却方法の選択 | ・買取:早期売却&確実性重視 ・仲介:高値売却重視 ・更地化:土地活用検討 | ・目的に応じた最適な売却方法で スムーズに処分可能 ・ニーズに合った買主と出会える |
物件価値の回復 | ・特殊清掃の実施 ・必要最小限のリフォーム ・お祓いなどの心理的対策 | ・売却価格が20〜30%アップ ・買主の心理的不安を軽減 ・売却期間の短縮化 |
法的リスクの回避 | ・適切な告知義務の履行 ・専門家への事前相談 ・買主とのトラブル防止策 | ・契約不適合責任を回避 ・スムーズな売却完了 ・将来的なトラブル防止 |
事故物件を所有していると知った時、「この物件は売れるのだろうか?」と不安になりますよね。実は、事故物件も適切な対策と手順を踏めば、確実に処分することができます。本記事では、プロの不動産プランナーが事故物件を上手に売却するためのポイントを詳しく解説します。目次を見て必要なところから読んでみてください。
訳あり不動産・事故物件の買取とは?買取業者が教える仕組みと高値売却のコツ
事故物件や相続で取得した古い家屋など、一般的な不動産売却が難しい物件の処分にお悩みではありませんか?このような訳あり物件は、買取という方法で解決できる可能性があります。不動産の買取について、仕組みから実際の売却までを詳しく解説していきます。
訳あり不動産買取の定義と買い取れる物件の種類(事故物件・再建築不可・相続問題など)
不動産の買取とは、仲介業者を介さず不動産会社が直接物件を購入する方法です。近年では、訳あり物件を専門に扱う買取業者も増えています。主な買取対象となる物件の特徴を見ていきましょう。
【買取対象となる訳あり物件の種類】
- 事故物件・心理的瑕疵物件
・自殺や他殺が発生した物件
・孤独死や事故死があった物件
・特殊清掃が必要な物件 - 構造的な問題がある物件
・再建築不可物件
・接道要件を満たさない物件
・耐震基準を満たさない物件 - 権利関係が複雑な物件
・相続トラブルがある物件
・共有名義の物件
・抵当権等が設定された物件
買取の仕組みと一般売却との違い・メリットを比較
買取と一般的な仲介売却では、売却までの流れや期間、価格設定が大きく異なります。それぞれの特徴を表で比較してみましょう。
項目 | 買取 | 仲介売却 |
---|---|---|
売却までの期間 | 最短2週間程度 | 3〜6ヶ月が一般的 |
価格 | 市場価格の7〜8割程度 | 市場価格で売却可能 |
手数料 | 不要 | 売却価格の3%+6万円 |
売却の確実性 | 確実に売却可能 | 買主が見つからないリスクあり |
近隣への配慮 | 売却事実を知られにくい | オープンルームなどで周知される |
買取業者が物件を購入する流れと実際の所要期間
訳あり物件の買取は、以下のような流れで進んでいきます。
- 無料査定依頼(所要時間:即日〜3日)
・物件情報の提供
・概算査定額の提示 - 現地調査(所要時間:1〜2日)
・建物の状態確認
・周辺環境の調査
・正式な買取価格の提示 - 売買契約(所要時間:1〜2日)
・契約条件の確認
・必要書類の準備
・契約書の作成と締結 - 決済・引き渡し(所要時間:2週間前後)
・残金の支払い
・所有権移転登記
・物件の引き渡し
一般的な売却と異なり、買主探しの期間が不要なため、書類準備から決済までスピーディーに進めることが可能です。事故物件など、早期の売却を希望される場合は、買取という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
訳あり不動産の買取価格はいくら下がる?具体的な査定基準と相場を公開
買取での売却を検討する際、気になるのが価格の問題です。事故物件や再建築不可物件など、訳ありの不動産は通常の物件よりも買取価格が低くなりがちです。しかし、物件の状況や対応次第で価格を上げられる可能性もあります。
事故物件の買取価格はどのくらい?原因別の具体的な金額と事例
事故物件の買取価格は、事故の内容や経過期間によって大きく変動します。一般的な相場をご紹介します。
【事故物件の買取価格目安】(通常価格からの減額率)
- 自然死・事故死の場合
・発見が早かった場合:10〜20%減
・特殊清掃が必要な場合:20〜30%減 - 自殺があった場合
・発見が早かった場合:30〜40%減
・室内の損傷が大きい場合:40〜50%減 - 他殺があった場合
・一般的なケース:50%以上減
・社会的影響が大きい事件:70%以上減
具体例:
都心の中古マンション(通常価格5,000万円)で自然死があり特殊清掃が必要だった場合
⇒ 買取価格:約3,500万円(通常価格の70%)
再建築不可物件の買取相場と価格査定のポイント
再建築不可物件は、将来的な活用に制限があるため、価格が大きく下がります。主な査定ポイントは以下の通りです。
査定項目 | 価格への影響 | 重要度 |
---|---|---|
接道状況 | 最大60%減 | ★★★ |
建物の築年数 | 最大40%減 | ★★ |
周辺の開発状況 | 最大30%減 | ★★ |
現在の利用状況 | 最大20%減 | ★ |
相続・共有持分など権利関係の複雑な物件の査定方法
権利関係に問題がある物件は、解決までの時間とコストを考慮して査定されます。
- 相続問題がある物件
・相続人全員の同意が必要
・相続手続きの進行状況で査定額が変動
・遺産分割協議が必要な場合は30%程度減額 - 共有持分物件
・持分割合に応じた価格
・他の共有者の同意状況で査定額が変動
・共有者間でトラブルがある場合は40%程度減額
買取価格を上げるために売主ができる具体的な対策
訳あり物件でも、以下の対策で買取価格を上げることが可能です。
- 現状改善による対策
・特殊清掃の実施
・簡易リフォームによる印象改善
・不用品の整理・処分 - 書類関係の整備
・権利証の準備
・固定資産税評価証明書の取得
・相続関係書類の整理 - タイミングの工夫
・複数社への査定依頼
・不動産相場が上昇傾向の時期を狙う
・焦らず適切な時期を選ぶ - 専門家への相談
・不動産鑑定士による適正価格の確認
・弁護士による権利関係の整理
・税理士による節税対策の検討
これらの対策により、最大で20%程度の価格上昇が期待できます。早めに専門家に相談し、計画的に売却を進めることをお勧めします。
訳あり不動産を高く売るなら買取と仲介どちらがいい?徹底比較
訳あり物件の売却方法として、買取と仲介という2つの選択肢があります。それぞれに特徴があり、物件の状況や売主の希望によって最適な方法が変わってきます。この記事では、具体的な事例を交えながら、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
買取は即日現金化が可能!具体的なメリット・デメリット
不動産会社が直接買い取る「買取」は、スピーディーな売却が最大の特徴です。
買取のメリット:
- 最短2週間での売却が可能
- 手続きが簡単
- 内見や広告が不要
- 近隣に売却を知られにくい
買取のデメリット:
- 市場価格より2〜3割安くなりやすい
- 買取可能な不動産会社が限られる
- 相場より大幅に安い査定を出す業者もある
仲介売却のメリット・デメリット
一般的な仲介売却は時間がかかりますが、高値での売却が期待できます。
比較項目 | 仲介売却 | 買取 |
---|---|---|
売却価格 | 市場価格で売却可能 | 市場価格の70〜80%程度 |
売却期間 | 3〜6ヶ月が一般的 | 最短2週間程度 |
手数料 | 価格の3%+6万円 | 無料が多い |
手間 | 内見や広告が必要 | 最小限の手続きのみ |
物件状態・売却時期で選ぶ最適な売却方法
状況に応じた売却方法の選び方をご紹介します。
買取がおすすめのケース:
- 相続で取得した古い空き家
- 早急に現金化が必要
- 事故物件で心理的瑕疵がある
- 再建築不可の建物
- 権利関係が複雑
仲介がおすすめのケース:
- できるだけ高く売りたい
- 時間的な余裕がある
- 物件の状態が比較的良好
- 立地条件が良い
- 需要が見込める物件
成功事例から見る買取と仲介の選び方
具体的な成功事例をもとに、最適な売却方法を考えてみましょう。
事例1:築40年の事故物件マンション
・状況:孤独死があり特殊清掃が必要
・選択:買取を選択
・結果:3週間で売却完了、市場価格の75%で売却
事例2:相続した古い戸建て
・状況:リフォームして売却
・選択:仲介を選択
・結果:4ヶ月で売却、リフォーム費用を差し引いても買取より高額で売却
事例3:再建築不可の木造アパート
・状況:建物の老朽化が進行
・選択:買取を選択
・結果:現状のまま2週間で売却、解体費用も考慮すると満足な結果
ポイントは、物件の状態と売主の希望をしっかり見極めることです。早期売却を優先するなら買取、少しでも高く売りたいなら仲介と、状況に応じて選択することをおすすめします。専門家に相談しながら、最適な売却方法を検討してみてはいかがでしょうか。
訃報不動産買取の全費用と具体的な手続きを解説
事故物件や相続物件など、訃報に関連する不動産の売却をお考えの方に向けて、買取の具体的な手続きと費用について解説します。実は買取は仲介に比べて手続きがシンプルで、費用面でも売主に有利な点が多いのです。
買取までの手順と必要書類・審査基準
買取完了までの基本的な流れは以下の通りです。
- STEP1:査定依頼と価格提示
・物件情報の提供
・写真や図面の送付
・概算査定額の確認 - STEP2:現地調査と買取価格の確定
・建物の状態確認
・周辺環境の調査
・最終買取価格の提示
必要書類一覧:
- 権利証(登記識別情報)
- 固定資産税評価証明書
- 実印と印鑑証明書
- 公共料金の領収書
- 住民票(マイナンバーなし)
諸費用の具体的な内訳と支払い時期
費用項目 | 金額目安 | 支払時期 | 負担者 |
---|---|---|---|
不動産仲介手数料 | 不要 | ― | ― |
登記費用 | 10〜15万円 | 決済時 | 買主 |
印紙代 | 1〜10万円 | 契約時 | 買主 |
固定資産税精算金 | 実費 | 決済時 | 按分 |
引越し費用 | 実費 | 適宜 | 売主 |
特殊清掃費用 | 20〜50万円 | 作業後 | 要相談 |
非対面での買取手続きの流れと注意点
コロナ禍の影響でオンラインでの買取手続きにも対応する業者が増えています。
非対面取引の主な流れ:
- WEBでの査定依頼
- ビデオ通話での現地確認
- 必要書類の郵送
- 電子契約システムの利用
- 銀行振込での決済
注意が必要なポイント:
・本人確認は必ず実施
・実印での押印が必要な書類あり
・契約書は原本の取り交わしが原則
・決済は指定の金融機関で実施
買取完了までの日数と売主の実作業
事故物件や訃報物件の買取は、通常の不動産売却よりスピーディーに進行します。
標準的なスケジュール例:
- 査定依頼から価格提示まで:1〜3日
- 現地調査の実施:1〜2日
- 買取価格の確定:即日〜2日
- 契約締結まで:3〜5日
- 決済・引き渡し:1〜2週間
売主が実際に行う作業:
- 査定依頼フォームの入力(所要時間:15分程度)
- 必要書類の準備(所要時間:2〜3時間)
- 現地調査の立ち会い(所要時間:1時間程度)
- 契約書の確認と押印(所要時間:30分程度)
- 決済手続きへの立ち会い(所要時間:1時間程度)
最短で2週間、通常でも1ヶ月以内に売却が完了するため、相続発生後の早期処分にも対応可能です。ただし、特殊清掃が必要な場合は、その作業期間が別途必要となりますので、ご注意ください。
訳あり不動産の買取業者選びで失敗しないポイント
事故物件や相続物件などの訳あり不動産を売却する際、買取業者選びは非常に重要です。適切な業者を選ばないと、不当に安い価格で買い取られるなどのトラブルに遭うリスクがあります。本記事では、失敗しない業者選びのポイントを詳しく解説します。
優良買取業者の見分け方7つのチェックリスト
信頼できる買取業者は、以下の特徴を備えています。
- 法的要件の確認
・宅地建物取引業免許の保有
・事業年数が3年以上
・所在地が明確 - 取引の透明性
・買取価格の根拠を説明
・手数料体系が明確
・契約書の事前確認が可能 - 実績と評判
・買取実績が豊富
・口コミ評価が良好
・メディア掲載実績あり
確認項目 | 重要度 | 確認方法 |
---|---|---|
免許番号 | ★★★ | 国土交通省サイト |
事業実績 | ★★★ | 会社HP・問合せ |
口コミ評価 | ★★ | 各種レビューサイト |
対応エリア | ★★ | 会社HP |
決済実績 | ★★ | 問合せ |
特殊物件対応 | ★★ | 事例確認 |
アフター対応 | ★ | 利用者の声 |
要注意な業者の特徴と避け方
要警戒のサインとして以下のような特徴が挙げられます:
- 即日現金化を過度に強調
- 極端に高い査定額を提示
- 契約を急かす態度
- 事業実態が不明確
- 買取金額の根拠説明が曖昧
このような業者を避けるためには:
- 複数社での査定を必ず実施
- 業者の実態をWeb等で確認
- 契約前に必ず細かい条件を確認
- 不明点は書面で回答を要求
事故物件専門の買取業者を選ぶメリット
事故物件に特化した買取業者には、以下のような独自のメリットがあります:
- 適正な査定価格の提示
- スムーズな売却手続き
- 特殊清掃の手配が可能
- 近隣トラブル対応の経験
- 法的リスクの把握
特に心理的瑕疵物件の場合、専門知識を持った業者に依頼することで、告知義務の問題などもスムーズに解決できます。
複数社での査定額の比較方法と値引き交渉術
効果的な査定額比較のステップ:
- 一次査定
・最低3社以上に依頼
・同じ条件で査定を依頼
・概算査定額を比較 - 二次査定
・現地調査を実施
・詳細な条件を提示
・最終買取価格を確認 - 価格交渉
・他社の査定額を開示
・付帯条件の調整
・決済時期の調整
交渉のポイント:
- 最初の提示額から10〜15%の上積みが目安
- 決済時期の柔軟な調整で増額交渉
- 物件の良い点を具体的にアピール
- 複数社の競争原理を活用
買取業者選びは、売却価格に大きく影響する重要な要素です。拙速な判断は避け、慎重に比較検討することをお勧めします。
訳あり不動産を高値で売るための具体的な準備と改善方法
事故物件や相続物件などの訳あり不動産は、適切な対策を施すことで売却価格を10〜20%程度アップさせることができます。ここでは、具体的な準備と改善方法をご紹介します。
特殊清掃の費用相場と効果・実施タイミング
特殊清掃は、事故物件の価値を回復させる重要な施策です。
【特殊清掃の費用相場】
作業内容 | 費用目安 | 所要期間 |
---|---|---|
基本清掃 | 15〜30万円 | 1〜2日 |
消臭・除菌 | 10〜20万円 | 1日 |
床の張替え | 20〜40万円 | 2〜3日 |
壁紙の張替え | 15〜25万円 | 1〜2日 |
全面改装 | 50〜100万円 | 5〜7日 |
実施のタイミング:
- 買取査定の前に完了させる
- 臭気が残る場合は2回に分けて実施
- 梅雨期は乾燥を十分に確保
リフォーム・修繕による物件価値アップ効果
効果的な改修ポイントと価値上昇率:
- 水回りの改修
・キッチン:投資額の60〜80%
・浴室:投資額の50〜70%
・トイレ:投資額の70〜90% - 内装の改修
・フローリング:投資額の40〜60%
・壁紙:投資額の30〜50%
・建具:投資額の20〜40%
実施の優先順位:
- 異臭・汚れの除去
- 水回りの機能回復
- 見た目の印象改善
- 設備の現代化
お祓い・供養の買取価格への影響度
心理的な不安を軽減する施策として、お祓いや供養が効果を発揮するケースがあります。
実施による効果:
- 購入検討者の心理的抵抗の軽減
- 近隣住民の不安解消
- 売却までの期間短縮
実施内容 | 費用目安 | 価格への影響 |
---|---|---|
神式のお祓い | 5〜10万円 | やや効果的 |
仏式の供養 | 10〜15万円 | 効果的 |
現地供養祭 | 15〜20万円 | 非常に効果的 |
近隣対策と権利関係の整理方法
スムーズな売却のためには、近隣との関係性や権利関係の整理が重要です。
近隣対策のポイント:
- 定期的な清掃・管理
- 適切な情報共有
- 騒音・臭気への配慮
- 工事時の事前説明
権利関係の整理:
- 相続関係の確認
・相続人全員の同意取付
・遺産分割協議書の作成
・相続登記の完了 - 抵当権等の整理
・残債の確認
・金融機関との交渉
・抹消手続きの準備 - 境界の明確化
・境界確認書の取得
・越境の解消
・測量図の準備
これらの対策により、買主の不安要素を軽減し、より高値での売却が期待できます。ただし、投資額に見合った効果が得られるよう、専門家に相談しながら進めることをお勧めします。
知らないと損する訳あり不動産買取の法的知識
事故物件や相続物件の売却では、一般的な不動産取引以上に法的な知識が重要です。適切な対応を怠ると、売却後のトラブルに発展する可能性があります。
告知義務の期間と免責されないリスク
事故物件の告知義務について、取引形態によって期間が異なります。
取引形態 | 告知義務期間 | 免責条件 |
---|---|---|
売買取引 | 期限なし | なし |
賃貸取引 | 約3年間 | 経過後は原則不要 |
専門業者買取 | 期限なし | なし |
告知が必要な重要事項:
- 事故・事件の発生時期
- 特殊清掃の実施有無
- 死因の概要
- 発生場所の特定
- 心理的瑕疵の程度
契約不適合責任の具体的な対処法
契約不適合責任への対応は売主の重要な義務です。
主な請求内容と対応策:
- 修補請求への対応
・速やかな現地確認
・修繕業者の手配
・費用見積りの提示 - 代金減額請求への対応
・減額幅の根拠確認
・類似事例との比較
・賠償保険の活用 - 損害賠償請求への対応
・弁護士への相談
・示談交渉の実施
・和解案の検討
買取契約時の特約条項の重要ポイント
買主とのトラブルを防ぐための重要な特約条項:
- 瑕疵担保責任の範囲
・免責事項の明記
・期間の限定
・責任の上限設定 - 引渡し条件
・現状有姿での引渡し
・残置物の取扱い
・鍵の引渡し方法 - 支払条件
・手付金の取扱い
・決済方法の指定
・支払期日の設定
売却後のトラブルを防ぐための対策
売却後のトラブルを未然に防ぐための具体的な対策をご紹介します:
- 書面による記録管理
・重要事項説明書の写し保管
・告知書面の複写保管
・交渉経緯の記録
・メールのバックアップ - 近隣への配慮
・適切な情報開示
・工事日程の通知
・騒音への配慮
・ゴミ出しルールの遵守 - 引渡し時の確認事項
- 室内の写真撮影
- 設備の動作確認
- 清掃状態の確認
- 鍵の本数確認
実際のトラブル事例:
ケース1:告知義務違反による損害賠償請求
・状況:自殺の事実を告知せず売却
・結果:約500万円の賠償金支払い
・教訓:事実関係は必ず告知する
ケース2:特殊清掃不足による減額請求
・状況:臭気が完全に除去できていなかった
・結果:100万円の減額に応じる
・教訓:専門業者による完全な清掃が必要
これらの法的知識を踏まえた上で、専門家への相談を適切に行うことで、安全な取引が実現できます。特に重要な書類は、最低5年間は保管することをお勧めします。
訳あり不動産の買取事例を買取金額付きで公開
訳あり物件の売却を検討する際、実際の取引価格を知ることは重要です。ここでは、実際の買取事例を具体的な金額とともにご紹介します。
事故物件(自殺・他殺・孤独死)の実際の買取価格事例
心理的瑕疵物件の実際の取引事例をご紹介します。
物件種別 | 通常価格 | 買取価格 | 減価率 | 所要期間 |
---|---|---|---|---|
都心マンション(自殺) | 4,800万円 | 2,880万円 | 40% | 3週間 |
郊外一戸建(他殺) | 3,200万円 | 1,440万円 | 55% | 1ヶ月 |
駅近マンション(孤独死) | 2,600万円 | 1,820万円 | 30% | 2週間 |
具体的な事例:
事例1:都心の高級マンション
・状況:室内での自殺、発見まで3日
・対応:特殊清掃、全面リフォーム
・査定額:2,880万円(市場価格4,800万円)
・売却期間:21日
再建築不可物件の買取事例と所要期間
建築基準法の制限により売却が難しい物件の事例です。
- 接道義務を満たさない物件
・築40年木造住宅
・土地35坪
・市場価格:2,200万円
・買取価格:1,320万円
・所要期間:25日 - 狭小地物件
・土地18坪
・市場価格:1,800万円
・買取価格:1,260万円
・所要期間:14日
権利関係が複雑な物件の買取解決事例
相続や共有など、権利関係で問題のある物件の事例です。
事例1:相続未登記物件
・築35年マンション
・相続人5名で意見対立
・解決方法:相続人全員の同意取付
・買取価格:1,600万円(市場価格2,000万円)
・所要期間:2ヶ月
事例2:共有持分物件
・土地60坪の1/3持分
・他の共有者と連絡不可
・解決方法:持分買取
・買取価格:580万円(持分相当額800万円)
・所要期間:45日
地域別・物件種別の具体的な価格事例
地域や物件種別による買取価格の違いをご紹介します。
首都圏の事例:
- 23区マンション
・通常価格:3,500万円台
・買取価格:2,800万円台
・減価率:20%程度 - 都下一戸建
・通常価格:2,800万円台
・買取価格:2,100万円台
・減価率:25%程度
地方都市の事例:
- 中核市マンション
・通常価格:1,800万円台
・買取価格:1,300万円台
・減価率:28%程度 - 郊外一戸建
・通常価格:1,500万円台
・買取価格:1,050万円台
・減価率:30%程度
これらの事例から、以下のような傾向が見えてきます:
- 都心部は減価率が比較的小さい
- 築年数よりも立地の影響が大きい
- 権利関係の問題は価格を大きく下げる
- 事故物件は地域を問わず30%以上の減価
ただし、これらはあくまで事例であり、個々の物件で状況は異なります。正確な査定額を知るには、専門業者による詳細な調査が必要です。
訃報不動産の売却に関する専門家相談のタイミング
事故物件や複雑な権利関係がある不動産の売却では、専門家への相談が重要になってきます。ここでは、各専門家への相談タイミングと費用について詳しく解説します。
弁護士相談が必要なケースと費用相場
以下のような場合は、早めの弁護士相談をお勧めします。
- トラブルが予想されるケース
・相続人間での意見対立
・境界争いの可能性
・近隣とのトラブル - 法的リスクが高いケース
・事故物件の告知義務
・契約不適合責任への対応
・賠償請求への備え
相談内容 | 費用目安 | 所要時間 |
---|---|---|
初回相談 | 30分5,000円〜 | 30〜60分 |
書類作成 | 3〜10万円 | 2〜3日 |
交渉代理 | 着手金10〜30万円 | 1〜3ヶ月 |
税理士相談が必要な状況と節税対策
税務上の問題に直面したら、税理士への相談を検討しましょう。
主な相談内容:
- 譲渡所得税の計算
・3,000万円特別控除の適用
・買換え特例の活用
・相続財産の評価方法 - 必要経費の範囲
・特殊清掃費用
・リフォーム費用
・仲介手数料
相談費用の目安:
- 初回相談:5,000円〜10,000円
- 確定申告支援:3〜5万円
- 節税対策立案:10万円〜
不動産鑑定士への相談メリットと費用
不動産鑑定士への相談は、適正価格の把握に効果的です。
メリット:
- 客観的な価格査定
- 減価要因の明確化
- 売却戦略への助言
鑑定内容 | 費用目安 | 作成期間 |
---|---|---|
簡易評価 | 5〜10万円 | 1週間程度 |
詳細鑑定 | 15〜30万円 | 2〜3週間 |
セカンドオピニオン | 3〜5万円 | 3日程度 |
各種無料相談窓口の活用方法と準備書類
費用をかけずに専門家の意見を聞ける無料相談窓口もあります。
【主な無料相談窓口】
- 法テラス
- 不動産協会の相談窓口
- 各都道府県の宅建協会
- 市区町村の相談窓口
準備しておくべき書類:
- 権利関係書類
・登記簿謄本
・権利証
・固定資産評価証明書 - 物件資料
・間取り図
・土地の実測図
・建物の図面 - 経緯書類
・事故の報告書
・修繕履歴
・近隣とのやり取り
活用のポイント:
- 事前に質問事項を整理
- 必要書類は複数部用意
- 相談内容をメモで記録
- 次のステップを確認
これらの専門家相談を適切に活用することで、スムーズな売却につながります。特に事故物件の場合は、法的リスクを軽減するためにも、早めの専門家相談をお勧めします。