- 相続不動産の売却は「相続登記・相続人の整理」が最優先で、放置すると売却が進まない。
- 建築士の診断により、解体せずそのまま売るほうが高く売れるケースが多い。
- 岡山はエリア特性による価格差が大きく、地域理解が売却成功の鍵となる。
岡山で相続した実家を売却する際は、「手続きの順番」と「名義の整理」が成功のカギです。建築士としての私の経験では、家の状態を正しく把握するだけで選ぶべき売却方法が大きく変わります。相続登記義務化により、名義変更は必須となりましたが、正しい流れを押さえれば難しくありません。岡山の市場特性を踏まえ、あなたの状況に最適な売却ルートをご提案します。
相続した実家を売却する前に知っておくべき基本知識
相続した家を売却する時、まず知っておいていただきたいのは「不動産の価値は、法的な整理と建物の状態の両方で決まる」ということです。岡山市中区で長年仕事をしてきた経験から言うと、名義が整理されていないまま、あるいは家の状態を確認しないまま売却に進んでしまうケースが非常に多いのです。
建築士の目で見れば、解体が必要だと思われていた家が“そのまま売却して問題なかった”という例もあります。逆に、外観はきれいでも基礎や屋根が深刻に傷んでいて「先に手を打たなければ売れにくい」ケースもあります。まずはこの章で、売却の前に押さえておくべき基礎知識を整理しましょう。
相続した家は「そのまま」売れる?建築士がまず見るポイント
相続した実家は、基本的には“そのままの状態で”売ることができます。リフォームや解体を必ずする必要はありません。ただし、建物の安全性や劣化状況によって、売却方法や価格が大きく変わることも事実です。
私が現地調査で必ず確認するのは以下のポイントです。
- 基礎のひび割れ(不同沈下の兆候)
- 屋根材の劣化(雨漏りリスク)
- 外壁の浮き・クラック
- 床の傾き(構造の変形)
- シロアリ被害の有無
- 築年数と耐震基準(1981年以前は旧耐震)
これらは売却前に補修すべきかどうかの判断材料になりますし、結果として「現況のままでも高く売れる」場合も多いんです。
実際、中区の築40年の木造住宅では、買主がリノベ目的だったため補修なしで売却でき、解体費150万円を節約できた例もありました。
「何を直すべきか」ではなく、「直さなくても売れるか」を判断することが大切なんです。
売却前に整理すべき相続人・名義・権利関係
相続不動産で最もトラブルが多いのが“名義と権利関係”です。
- 相続人が誰か
- 持ち分がどうなっているか
- 代表者(売却の窓口)を誰にするか
これらを明確にしておくことで、売却手続きがスムーズになります。
特に多いのは「兄弟間で意見がまとまらない」というケース。売却方針が決まらず、数年放置され、家が劣化して価値が下がってしまうこともあります。
私がこれまでに見てきた成功事例の多くは、
“最初にしっかり話し合い、役割分担を決めていたケース”です。
相続登記義務化(2024)で何が変わる?岡山での影響
2024年から相続登記は義務化され、
相続から3年以内に名義変更をしなければ、10万円の過料が科される可能性があります。
岡山でも、すでに「相続したまま放置していた」という相談が急増しています。
名義が変わっていないと…
- 売却できない
- 譲渡所得の申告が遅れる
- 固定資産税の納税者が曖昧になる
こうした問題が出てくるため、“まずは相続登記”が大切です。
相続登記は司法書士に依頼するのが一般的で、
費用は6〜12万円程度+登録免許税 が目安です。
岡山の案件を多数扱ってきた身として、登記の相談は本当に早いほうが良いと断言できます。
相続不動産の売却で最初にすべき手続きと必要書類
相続した実家を売却するためには、まず「名義をどうするか」「誰が手続きを進めるのか」を明確にする必要があります。岡山で仕事をしていると、家の状態は良くても“手続きが進まずに売却できない”というケースが非常に多いんです。建築士として家を診断する前に、まずは法的な整理が欠かせません。
そこでこの章では、売却に必要な手続きを順番にわかりやすく解説します。「どこから手をつければいいかわからない…」という方は、この章を読むだけで売却準備の8割が完了すると言っても過言ではありません。
必須手続き①:相続登記(名義変更)の流れと費用
2024年の相続登記義務化により、相続した実家の名義変更は“必ず必要”になりました。名義が被相続人のままだと、売却契約も決済もできません。
相続登記の基本的な流れは次のとおりです。
- 相続人の確定(戸籍の収集)
- 遺産分割協議書の作成
- 必要書類の収集(固定資産評価証明書など)
- 司法書士へ登記申請を依頼
- 法務局で相続登記完了
費用の目安は…
- 司法書士費用:6〜12万円程度
- 登録免許税:固定資産評価額×0.4%
例えば、中区で評価額1,200万円の戸建なら登録免許税は約48,000円です。
登記を先延ばしにすると、相続人が増えて話がややこしくなり、結果として売却が1年以上遅れることも少なくありません。
「まずは登記」これは相続不動産の鉄則なんです。
必須手続き②:遺産分割協議書の作り方と注意点
次に必要なのが、遺産分割協議書。
相続人が1人なら不要ですが、2人以上の場合は必ず必要になります。
協議書に明記すべき内容は以下です。
- 不動産の所在・地番・家屋番号
- 誰が所有するのか(単独 or 持分割合)
- 売却する場合の合意内容
- 日付・相続人全員の署名・押印
実務で注意すべきポイントは…
- 相続人の1人でも署名を拒否すると売却が進まない
- 記載内容の不備は法務局で受理されない
- 兄弟間の話し合いが長期化すると、市場相場が下がる可能性がある
私はこれまで、相続人が多く半年以上話し合いに時間がかかった例も見てきました。
しかし、早い段階で「売却方針」を全員で共有しておくと手続きはスムーズに進みます。
売却に必要な書類一覧と、準備する順番
相続不動産の売却に必要な書類は、思ったより多くありません。
しかし「どの順番で集めるか」が重要です。岡山の案件を多く扱う中で、効率的だと感じた順番を紹介します。
【売却に必要な書類一覧】
- 登記簿謄本(登記事項証明書)
- 固定資産評価証明書
- 相続関係説明図
- 遺産分割協議書
- 相続人全員の印鑑証明書
- 本人確認書類
- 建物図面・公図(あれば)
- 固定資産税納税通知書
【効率的な準備の順番】
- 戸籍の取得 → 相続関係説明図を作る
- 相続人で話し合う → 協議書作成
- 司法書士へ相続登記依頼
- 不動産会社へ査定依頼 → 売却方法の検討
- 売却契約に必要な書類を揃えていく
この順番なら、手続きの抜け漏れがなく、売却までの流れが最短で進みます。
書類集めは大変に感じるかもしれませんが、私の経験では「何をどう揃えるか」さえわかれば、意外とスムーズに進むものです。
不安な方は、私にご相談いただければ、一緒に必要書類の整理からお手伝いします。
岡山の相続不動産はどう売るべき?市場動向と地域特性
相続された実家の売却で大切なのは「岡山の市場がどう動いているか」を知ることです。
私自身、中区で暮らし、岡山市全域で10年以上売却のお手伝いをしてきましたが、同じ岡山市内でもエリアによって売れ方や買い手のニーズが大きく違います。
市場を理解しておくと、相続した家を「どの方法で」「どのタイミングで」売るのが最も良いのか判断しやすくなります。
この章では、岡山の中でも特に相続物件が多い中区・北区・南区の特徴をわかりやすく解説します。
岡山市中区・北区・南区の売却相場とニーズの違い
同じ岡山市内でも、売れ方には明確な特徴があります。
■ 中区:回転が早く、生活利便性で「中古でも売れる」
- 商業施設・病院・教育環境が充実
- “利便性重視”の買い手が多い
- 築年数が古くても問い合わせが入りやすい
特に原尾島・浜・今在家周辺は人気が高く、
中古住宅でも相場が落ちにくい傾向があります。
私の事務所のある中区は、相続物件も安定して売却しやすいエリアです。
■ 北区:需要は強いが「エリア差」が大きい
北区は人気エリアとそうでないエリアの差が顕著です。
- 中心部(清輝橋・大供・柳町)は高需要
- 農地転用が必要なエリアは売却が長期化
- 相続放置で劣化が進んだ物件も多い
“放置期間の長さ”が価格に最も影響するのが北区の特徴です。
■ 南区:土地値が安定、戸建需要が強い
南区はファミリー層からの需要が根強く、
土地としての価値が比較的安定 しています。
- 築古でも「解体して土地売却」という選択肢が有効
- 駐車2台以上の敷地は特に人気
- 新築需要が強いため、更地にすると売れ行きが早い
相続した家を「建物付きのまま売るか?」「土地として売るか?」の判断が最も重要なエリアです。
築古の実家は売れる?解体・現況売却・リフォーム比較
築30〜50年の相続物件は、岡山では珍しくありません。
そのため、築古でも“売れる物件”が多いのが岡山の特徴です。
建築士としての視点から、選択肢を3つに整理します。
① 現況のまま売る(最も多い・費用ゼロ)
- 手出しの費用なし
- 解体やリフォーム不要
- リノベ目的の買主も多い
中区の築40年の実家は、この方法で+200万円高く売れたことがあります。
② 解体して土地として売る(南区で効果大)
- 買主が建物解体の心配をしなくていい
- 土地としての価値が判断される
- 造成費がかかる場合もある
解体費の目安は
木造30坪=100〜150万円 ほどです。
③ 事前リフォームして売る(おすすめ度は低い)
- 売れやすくなることもある
- ただし…費用を回収できないケースが多い
私の経験では「リフォームしてから売る」よりも、
建物をそのまま評価して売る方が成功しやすい と断言できます。
空き家のまま放置すると起こるリスク(税金・劣化・市場価値)
相続した家で最も避けたいのが“放置”です。
岡山でも、相続から3〜5年放置されて価値が大きく下がるケースを何度も見てきました。
放置により起こる主なリスクは…
- 雨漏り → 室内の腐食 → 価値が急落
- シロアリ被害の拡大
- 固定資産税の負担が続く
- 「特定空家」に指定されるリスク
- 草木が伸び近隣トラブルになる
特に北区と東区は空き家の増加が目立ち、行政からの指導が入ることもあります。
「売ると決めていないけれど、どうしよう…」という状態でも、
まずは現状確認だけでもしておくと損をしません。
空き家は“時間が経つほど売りにくくなる”のが不動産の真実なんです。
【実例】星野和樹が担当した「相続した実家の売却」成功事例(岡山市内)
相続した実家の売却は、法律・建物・相続人間の調整など、多くの要素が絡むため「難しい」と感じられる方が多いものです。
しかし実際には、売主さまの状況に合わせて適切な手順を踏めば、スムーズに、そして高く売却できるケースが数多くあります。
ここでは、岡山で私が実際に担当した事例を2つご紹介します。あなたの状況と似たケースがあるかもしれません。
ケース① 中区の築40年実家:建築士による診断で“解体せず”200万円UP
ご相談いただいたのは、中区にある築40年の木造住宅。
相続された娘さんは「古いし、解体するしかないですよね…?」と不安げでした。
現地調査をしてみると…
- 床の傾きはわずか3mm以内(構造的問題なし)
- 基礎のクラックも表面的なもの
- 屋根材は劣化していたが雨漏りなし
- 内装は古いが、躯体はしっかりしている
建築士としての診断の結果、
“解体せず、現況のまま売却した方が高く売れる” と判断しました。
解体費用として見積もられていたのは約150万円。
しかし、リノベーション需要が強い中区なら、買主が「建物付き」を望む可能性が高いのです。
実際に販売を開始したところ…
- 3件の問い合わせ
- 2組が内覧
- 1ヶ月で希望額+200万円で契約成立
娘さんは「まさか建物がこんな価値になるとは思わなかった」と涙を浮かべて喜んでおられました。
建築士として“解体しない判断”ができたからこその成功例です。
ケース② 相続人が3名で意見が割れたケース:売却までの道筋と工夫
岡山市北区で、相続人が3名のケース。
「売りたい派」2名と「実家を残したい派」1名で意見が対立しており、2年間も話し合いが進まない状態でした。
現地調査をすると…
- 空き家のまま2年間放置
- 雨漏りで1室が腐食
- 固定資産税だけが毎年かかる状況
私は相続人全員にお集まりいただき、建物の現状写真と劣化状況を丁寧に説明しました。
特に「このままだと、あと3年で修繕費が倍増する可能性があります」という建築士としての見解が、皆さんの意識を変えるきっかけになりました。
さらに、
“売却益を3人で公平に分けるシミュレーション” を提示し、数字としてのメリットも共有。
結果として…
- 話し合いが1ヶ月でまとまる
- 現況のまま販売
- 希望価格で成約し、3人全員が納得して相続を完了
「もっと早く相談すれば良かった」と3名の方から言われたのを覚えています。
相続は“誰か1人が悪い”のではなく、
情報不足が原因で前に進めないだけ のケースが本当に多いです。
専門家として、透明性をもって説明することが何より大切だと改めて感じた事例でした。
まとめ|相続不動産の売却は「正しい順番」が成功の鍵。まずはお気軽にご相談ください
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
相続した実家の売却は、手続き・建物の状態・相続人との話し合いなど、考えることが多くて不安になりますよね。私も大手不動産会社時代から、たくさんの売主さまの悩みに寄り添い、その気持ちに触れてきました。
ただ、ひとつだけ確かに言えることがあります。
相続不動産の売却は、やるべき順番を押さえるだけでスムーズに進む ということです。
名義の整理、建物の診断、売却方法の選択…。
どれも専門的に見えるかもしれませんが、あなたが一つひとつ理解できるよう丁寧にお手伝いします。
あなたの大切な家が、次の誰かの人生につながる瞬間。
その架け橋になることが、私の仕事の原点であり喜びです。
記事のおさらい(重要ポイントの整理)
相続した実家を売却する際に重要なのは、次の5つです。
- 相続登記(名義変更)は最優先。放置は後々トラブルに。
- 相続人全員で早めに話し合い、協議内容を明確化する。
- 建物は“解体前提”ではなく、建築士の診断が価格を左右する。
- 岡山はエリアごとに市場が違う。中区は回転が早く、南区は土地需要が高い。
- 空き家放置は価値の下落につながるので、早めの判断が重要。
これらを理解しておくだけで、売却が驚くほどスムーズになります。
そして何より、
あなたがひとりで抱え込む必要はありません。
無料相談・査定への温かい招待
相続した実家の売却には、法律・税金・建物の状態など、専門的な判断が求められます。
「自分のケースではどうしたらいいの?」
そう感じたら、まずはお気軽にご相談ください。
私は岡山市中区に暮らし、仕事でもプライベートでも、日々この地域の家と向き合っています。
建築士として建物の真価を見抜き、宅建士として適正価格での売却を導きます。
相談はもちろん無料ですし、
「売るかどうか決めていない」という段階でも大歓迎です。
一緒に、あなたにとって最適な選択肢を探していきましょう。
岡山市中区・南区・北区、どのエリアでもお伺いしますのでご安心ください。
よくある質問(FAQ)
Q1:相続登記がまだですが、相談しても大丈夫ですか?
A:もちろん大丈夫です。建築士として現地を確認しながら、司法書士と連携して手続きの流れを整理できます。相続登記義務化の影響も丁寧にご説明しますのでご安心ください。
Q2:古くてボロボロの実家でも売れますか?
A:私の経験では「解体せずそのまま売る」ほうが高く売れた例が多くあります。建築士の視点で、売れる状態かどうかを診断し、最適な売却方法をご提案します。
Q3:相続人同士で意見がまとまりません。どうしたら?
A:よくあるお悩みです。全員が納得できるよう、建物の現状・市場価格・負担やメリットを整理し、中立の立場でお手伝いします。「話し合いが進んだ」というお声を多くいただいています。
最後に
あなたの大切な家の未来を、丁寧に、誠実にサポートします。
建築士と宅建士の二刀流で、建物の真価を見抜きながら最適な売却ルートをご提案します。
どうか一人で抱え込まず、まずは気軽にご相談ください。
一緒に、最適な答えを見つけていきましょう。

