内覧で“暑さ”が障害になるとは思わなかった

吉川さん(東京都練馬区・50代・会社員)

暑さで失敗…最初の内覧は“残念な印象”だった

「えっ、暑っ……」
内覧に来たご夫婦が、玄関を開けるなり驚いた表情を見せました。
真夏の午後。私は節電のつもりでエアコンを切っていたのですが、それが裏目に出てしまったんです。

無風のリビング、湿気のこもった寝室……。
自分では慣れている空気感でも、初めて訪れた人には「暑くて息苦しい」と感じられるようで、表情もどこか硬いまま。
結局そのご夫婦からの連絡はありませんでした。

「せっかく掃除もしたのに…何がいけなかったの?」
そのときのショックと疑問が、私の改善への第一歩でした。

ゆうき
ゆうき

夏の内覧は、見た目のキレイさ以上に「空気感」が印象を左右します。
実際、物件に入った瞬間の温度・湿度・においの組み合わせで、「この家、ちょっとムッとするな…」という感情が生まれてしまうと、そこから印象を好転させるのは難しくなります。人間の脳は第一印象をわずか数秒で判断するとも言われており、「涼しい=心地いい」「暑い=管理が不十分」という無意識の印象に直結するのです。
特に、普段住んでいる方にとっては気づきにくい“こもった空気”や“生活臭”は要注意。閉め切った部屋で数時間過ごした後にふと感じる違和感は、内覧者にとっては強烈なマイナス印象になります。また、梅雨〜夏にかけては、湿気によりクロスやカーテン、カーペットなどが匂いを吸いやすくなるため、除湿と換気の徹底がとても大切です。
「誰もいないからエアコンは切っておこう」という“節約意識”が、結果的に買主の心を遠ざけてしまうこともあります。
売却は「空気を売る」くらいの気持ちで臨むのが成功のコツです。
たった数百円の電気代が、数百万円の売却価格に影響する――そう思えば、きっと行動が変わるはずです。

実際の工夫ポイントはこちらで詳しく解説しています
夏の内覧、エアコンはつける?消す?悩む前に知っておきたい基本対策


小さな見直しで「涼しいですね」の声が増えた

失敗をきっかけに、「どうしたら印象が良くなるか」を徹底的に調べました。
アドバイスをくれたのは、相談していた不動産会社の担当者さん。

「吉川さん、この季節は“涼しさ”が一番の営業ポイントなんです」
その言葉にハッとさせられました。

エアコンは内覧の30分前にON
室温は26度に保ち、サーキュレーターで空気を回す工夫も。
加えて、玄関にレモングラスのアロマを置いて、すっきりとした印象に。

次に内覧に来た方は、「すごく居心地がいいですね」と笑顔で話してくれました。

ゆうき
ゆうき

購入希望者が「ここでの暮らしをイメージできるかどうか」は、内覧成功の最重要ポイントです。特に夏場は、暑さ・湿気・匂い・閉塞感など、潜在的にマイナス要素が多くなりやすい季節。だからこそ、ひと工夫で「この家、居心地がいいですね」と感じさせることができれば、他の物件との差別化につながります。
たとえば、エアコンのスイッチを入れるタイミングを「30分前」にするだけで、室内の空気が驚くほど軽やかになります。加えて、サーキュレーターで空気を対流させたり、カーテンでやさしく光をコントロールすることで、目に見えない快適さを演出することができるのです。これは、モデルルームなどでも実践されているプロの手法です。
さらに、アロマやグリーンを取り入れると、五感に働きかける“印象記憶”として残りやすくなります。涼しげなレモン系の香りは「清潔感」、小ぶりの観葉植物は「丁寧な暮らしぶり」を連想させ、無意識にポジティブなイメージを形成します。
物件自体のスペックだけでなく、「この空間にいたくなる」気持ちを引き出せるかどうかが、最終的な購入意欲に直結します。演出とは、“騙す”のではなく“感じてもらう”こと。夏の内覧では、感覚的な魅力の積み上げこそが最も効果的な売却戦略です。

▶ 次のステップでは、買主の心を動かす演出術を知っておきましょう:
内覧成功は準備が8割!売却戦略としての「夏の演出」術


売却成立後、振り返ると「小さな工夫の積み重ね」だった

最初の内覧失敗から約2ヶ月。
4組目のご家族が購入を決めてくださり、無事に契約が成立しました。
振り返れば、どれも大掛かりなことはしていません。
エアコンのタイミング、香り、カーテンの色味、空気の流れ――
ひとつひとつは地味でも、それが“売れる家”をつくる要素だったのだと実感しています。

内覧準備に悩んでいたあの頃の自分に、「やってみると全然違うよ」と伝えたいです。

ゆうき
ゆうき

売却が無事に決まったあと、「思ったよりもあっさり終わった」と感じる方は少なくありません。しかし、そこに至るまでには、数え切れないほどの気づかいと準備の積み重ねがあったはずです。
内覧前の掃除、空調管理、匂いの調整、照明の点検、演出アイテムの配置――それらひとつひとつが、購入希望者の「この家、いいな」という直感を生む下地になっています。
特に夏場の売却は、天候や湿度によって「家の印象」が大きくブレやすい時期でもあります。だからこそ、温度や空気の質に敏感な人にとっても快適だと感じる状態を保つことが、最終的な決め手につながるのです。つまり、“何もしないより、ちょっと気を配る”が売却成功への最短ルート。
さらに、売却が決まった後も「ホッとした」と気を抜くのは要注意。
引渡し直前には、エアコンや給湯器などの設備の不具合、排水まわりの臭いトラブルなど、見えないリスクが残っている可能性もあります。買主から「聞いてない」「こんなはずじゃなかった」と言われてしまえば、印象だけでなくトラブル対応まで発展しかねません。
そうならないためにも、売却完了まで気持ちを抜かず、最後の確認まで丁寧に行う姿勢が大切です。
見送る側の誠意が、次の住まいにも安心と納得を与えてくれる。そんな引渡しこそが、理想的な売却のゴールといえるのではないでしょうか。

▶ 契約直前・直後に備えておきたいことはこちらで解説しています:
売却後に後悔しない!引渡し直前の最終チェックポイント


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