
家を売る手続きもいよいよ大詰め。売買契約も終わり、「あとは鍵を渡すだけ」と気を抜いていませんか?
実はこの“引渡し直前”の対応次第で、買主からの評価や、後々のトラブルの有無が大きく変わることをご存知でしょうか?
「エアコンから水が…」「コンセントが反応しない…」そんな想定外の連絡が、引渡し直後に届いてしまうことも少なくありません。
最後の印象が悪くなると、せっかくの売却も後味の悪いものに…
そこで今回は、「売却後に後悔しないためのチェックポイント」をプロ視点でわかりやすく解説します。
設備トラブルを未然に防ぐ方法から、清算や書類の確認まで、あなたの“最後のひと仕事”をスマートに終えるための知識をまとめました。
売主としての誠意が伝わるかどうかは、ここからが本番です。
引渡しの日を「清々しい1日」にするために、ぜひこの記事をお役立てください。
契約前の“最後の見せ場”を失敗しないために
引渡し前のエアコン清掃や電気設備の整備は必要?
引渡し直前は、売主としての“誠意”が試されるタイミングです。特にエアコンや照明、インターホンなど、生活に直結する電気設備の整備は、購入者からの印象を大きく左右します。
法的には「現状有姿(げんじょうゆうし)」、つまり“現状のまま”で引き渡すことが原則です。しかし、契約書に「設備は正常に作動する状態で引渡す」と明記されている場合、事前に点検・整備しておかないとトラブルのもとになります。
また、エアコン内部のカビやホコリ、冷暖房の効きの悪さは、内覧時には気づかれていなくても、引渡し後すぐにクレームとなることも。特に夏場や冬場など、冷暖房の使用頻度が高い時期は注意が必要です。
簡単なチェックポイント:
- エアコンの試運転(異音・異臭・効き具合の確認)
- 照明・スイッチ・コンセントの作動確認
- インターホンや換気扇の動作チェック
- リモコン類の電池交換・動作確認
エアコンクリーニングはプロに依頼すると1台8,000円前後から。大きな出費にはなりますが、「きちんと整備された家だな」という安心感が得られ、トラブル防止にもつながります。
👉 エアコンのちょっとした不具合が命取りに?夏場の設備トラブルに備えた実体験ストーリーが参考になります。
→ 夏の暑さ対策がカギ!内覧時に心がけた5つの工夫 売却を検討している方にこそ読んでほしい実録ストーリー。
夏場に気をつけたい設備トラブルとその防止策
夏の引渡しで特に注意したいのが、設備系の急なトラブルです。気温や湿度の上昇がきっかけで、隠れていた不具合が表面化しやすくなります。
特に注意が必要なトラブル例:
- エアコンからの水漏れ(ドレン詰まりやフィルター汚れ)
- 給湯器のエラー表示(高温時にエラーが出やすい)
- 網戸や窓サッシの不具合(熱膨張による開閉不良)
- 雨樋や屋根の劣化箇所からの水漏れ
これらは「売主の故意・過失による瑕疵」と判断されると、引渡し後に修理費を請求される可能性もあります。
【対策のポイント】
- エアコンのフィルター清掃と排水経路の確認
- 給湯器のリモコンで一度“高温”設定にして動作確認
- 網戸の滑り・破れ・ロックの確認と簡易修理
- 雨どい・屋根は外から目視チェックだけでも効果あり
特に梅雨明け前後の引渡しでは、急なゲリラ豪雨による雨漏りリスクが高まります。売却前に一度専門業者に簡易点検を依頼するのも一手です。
契約直後にやるべきこと一覧
固定資産税や光熱費の清算忘れに注意
売買契約が成立したら、「もう一安心」と気が緩む瞬間でもあります。しかし、契約直後こそ、売主として抜かりなく対応すべき大切な準備期間です。
そのひとつが、固定資産税や光熱費などの「清算業務」。
不動産売買では、引渡し日を基準に「引渡し前は売主の負担」「引渡し後は買主の負担」とすることが一般的です。そのため、引渡し日までの分をきちんと精算し、領収書や計算書類の準備をしておく必要があります。
【具体的に清算対象になるもの】
- 固定資産税(1月1日時点の所有者に課税される)
- 都市計画税(地域によっては非課税の場合も)
- 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
- 水道・電気・ガス料金(検針日ベースで分割清算)
不動産会社が間に入って計算・仲介してくれることも多いですが、最終的な金額に納得できるよう、事前に確認と準備をしておきましょう。
また、水道や電気などのライフラインについては、「名義変更」「停止依頼」の手続きも忘れずに。特にガス会社は立ち会いが必要になる場合があるため、早めの連絡を心がけてください。
引渡し後のトラブル回避!売主としての心構え
「無事に引き渡せた!」と思っても、売却は“完了”ではなく“一区切り”にすぎません。
実際には、引渡し後に思わぬトラブルが発生することも珍しくありません。たとえば…
- 引渡し後にエアコンや給湯器が壊れた
- 壁の裏にカビや雨漏りが見つかった
- 書面に記載されていない“残置物”が残っていた
こうした場合、売主に「説明義務違反」や「契約不適合責任」が問われる可能性があります。たとえ「現状有姿」での契約でも、隠れた不具合については売主が責任を負うケースもあるのです。
だからこそ、売主としては「引渡し後も一定期間、責任が生じる可能性がある」という意識を持つことが大切です。
【売主としての心構え】
- 不具合がある部分は、契約書や付帯設備表に明確に記載しておく
- 渡す書類や鍵は確実に揃えて、引渡し前にチェック
- 質問や確認依頼には、できるだけ丁寧に対応する姿勢を忘れない
売主の誠意ある対応は、「安心して住める家だった」と買主が感じる決め手になります。トラブルを未然に防ぐのはもちろん、売却の締めくくりとして“心のこもった引渡し”を意識してみてください。
売却を“良い思い出”にするために、最後まで丁寧に
ほんの少しの心配りで、売却の印象も、引き渡し後の安心感も、ぐっと変わります。
「やっておけばよかった」と後悔しないために、今からできる備えを始めてみませんか?
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