
内覧でどんな質問をされるのか不安に感じていませんか?購入希望者が気になる点と、売主としての上手な答え方を整理しました。目次を見て必要なところから読んでみてください。
内覧でよく聞かれる質問とは?
不動産売却の現場で欠かせないのが「内覧」です。購入希望者は必ず物件を直接見に来ますし、その場でのやり取りが売却の成否を左右することも少なくありません。では、内覧でよく聞かれる質問とは何でしょうか?どう答えると信頼感を持ってもらえるのでしょうか?
「この家はどんな暮らしができるのか?」
「修繕は必要なのか?」
「実際に住んだらどのくらいの費用がかかるのか?」
購入希望者が投げかける質問の多くは、このような“将来の暮らし”をイメージするためのものです。売主としては、正直に、かつ前向きに答えることが求められます。では、もう少し掘り下げて見ていきましょう。
購入希望者が知りたいこと
購入希望者が内覧で確認したいのは、大きく分けて3つあります。
1つ目は物件の状態です。築年数やリフォーム歴、これまでの修繕状況など、将来の維持管理に関わる情報は必ず聞かれます。
2つ目は生活環境。日当たりや騒音、周辺の雰囲気や近隣住民との関係といった点は、図面や広告からでは分かりません。「実際に住んでみてどうなのか」を売主の言葉から確かめたいのです。
3つ目はお金のこと。固定資産税、光熱費、管理費や修繕積立金など、毎月の出費に関わる部分は関心が高く、よく質問されるポイントです。
こうした内容は「事実ベースで答える」ことが信頼を得る第一歩になります。
質問の傾向と目的
では、なぜ購入希望者は細かい質問をするのでしょうか?目的は大きく2つです。
1つはリスクを減らすためです。購入は大きな決断ですから、後から「こんなはずじゃなかった」となるのを避けたいのです。たとえば「雨漏りはありませんか?」という質問の裏には、「余計な修繕費がかかるのでは?」という不安があります。
もう1つは暮らしを具体的に想像するためです。たとえば「朝はどのくらい日が入りますか?」と聞かれるのは、実際の生活リズムを思い描いているからです。
このように、質問は単なる好奇心ではなく、「安心材料」と「生活イメージ」を求めて出てくるものなのです。
だからこそ、売主はただ情報を並べるだけでなく、「ここは日当たりが良いので冬でも暖かいですよ」といった具体的なエピソードを添えると、購入希望者の納得につながります。
内覧での受け答えは、物件の魅力を引き出す大きなチャンスです。聞かれる内容はある程度パターン化されていますから、事前に準備しておけば慌てることはありません。
次の記事では、「物件の状態に関する質問と答え方」を具体的に掘り下げていきます。
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物件の状態に関する質問と答え方
内覧で最も多い質問のひとつが「物件の状態」に関するものです。購入希望者にとっては、これから長く暮らす空間ですから、築年数やリフォーム歴、不具合の有無はとても気になるポイントです。では、どう答えるのがよいのでしょうか?
築年数やリフォーム歴を聞かれたら
築年数は避けて通れない事実です。古いからといって隠す必要はありませんし、むしろリフォームや修繕の履歴をあわせて伝えることで安心感を与えられます。
例えば「築25年ですが、5年前に外壁と屋根を塗り替えました。給湯器も2年前に交換しています」といった答え方です。数字や時期を具体的に出すことで、購入希望者は維持管理の状況をイメージしやすくなります。
逆に、リフォーム歴がない場合も正直に伝えましょう。その際、「手を加えていない分、購入後に好みに合わせてリフォームしやすいですよ」と前向きな視点を添えると印象が和らぎます。
ここで大切なのは「築年数=マイナス」ではないということです。丁寧に手を入れてきたこと、あるいは自由にアレンジできる余地があることを、事実をもとに伝えることが効果的です。
不具合や修繕の有無を聞かれたら
「雨漏りはありませんか?」「水回りに不具合は?」といった質問もよく出ます。この時、最も大切なのは正直さです。隠して後から発覚すると、契約不適合責任に問われるリスクがあります。
もし過去に不具合があった場合は、「以前、屋根から雨漏りがありましたが、○年に修繕し、その後は問題ありません」と具体的に説明しましょう。修繕記録や保証書があれば見せるのも安心材料になります。
一方、「不具合はありません」と答える場合でも、普段の使い勝手を少し加えてあげると説得力が増します。例えば「水回りは古さはありますが、日常生活に支障はなく使えています」といった答え方です。
購入希望者が知りたいのは「隠されたリスクがないかどうか」。正直な姿勢にプラスして、暮らしの実感を添えることが、信頼につながります。
物件の状態に関する質問は、一見すると売主にとって答えづらい内容ですが、誠実に答えることが最も安心感を生みます。築年数や不具合はコントロールできませんが、「どう伝えるか」で印象は大きく変わります。
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生活環境に関する質問と答え方
内覧では、建物そのものの状態だけでなく「ここで実際に暮らしたらどうか?」を確認するための質問が必ず出ます。その代表が日当たりや騒音、周辺環境、そして近隣住民や治安といった生活環境に関する内容です。図面や広告では分からないことだからこそ、売主の言葉が大きな判断材料になります。
日当たり・騒音・周辺環境
「日当たりはどうですか?」「騒音は気になりませんか?」といった質問は定番です。ここで重要なのは、実際に暮らした体感を具体的に伝えることです。
例えば、日当たりについては「午前中はリビングに日が入り、冬でも暖かいですよ」といった具体的な時間帯や季節感を添えると、相手は暮らしをイメージしやすくなります。逆に「午後は西日が強いので、夏は遮光カーテンを使っています」といった工夫も正直に伝えると安心感につながります。
騒音についても同じです。「線路が近いので窓を開けると電車の音は聞こえますが、二重サッシにしてからはほとんど気にならなくなりました」といった説明なら、不安を和らげつつ現実的な対応を示せます。
周辺環境に関しては、「徒歩5分でスーパーがあります」「小学校まで10分程度で通いやすいです」と、数字や距離を明確に伝えると説得力が増します。
近隣住民や治安について
購入希望者は「どんな人が住んでいるのか」「治安は良いのか」を非常に気にします。しかしここはデリケートな部分でもあり、誇張や主観的な評価は避けたほうが無難です。
例えば、「近隣は子育て世帯が多く、挨拶を交わす雰囲気です」「町内会でのイベントが年に数回あり、住民同士の交流があります」といった事実ベースの情報は安心材料になります。
治安についても、「駅前に交番があり、夜でも人通りがあります」「夜間は静かで落ち着いています」といった客観的な状況を伝えるとよいでしょう。
万が一トラブルがあった場合は、「以前は隣家との境界について話し合いがありましたが、現在は解決しています」など、経緯と現状を簡潔に伝えるのが誠実な姿勢です。
生活環境に関する質問は、購入希望者が「ここで安心して暮らせるか」を判断するためのものです。売主としては、良い面だけでなく工夫や実体験を交えて答えることで、信頼を得ることができます。
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※生活環境の説明に不安がある方や「どう伝えればいいか分からない」という方は、不動産会社に同席してもらうのも一つの方法です。経験豊富な担当者がサポートしてくれると、内覧対応もぐっと安心になります。
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費用や条件に関する質問と答え方
内覧では物件の状態や生活環境に加えて「お金に関する質問」も必ず出てきます。購入希望者は住宅ローンや生活費を具体的にイメージしているため、固定資産税や光熱費、さらには値引き交渉まで突っ込んだ質問をされることもあります。売主としては正直さと誠実さを意識しつつ、安心感を与える答え方を準備しておきましょう。
固定資産税や光熱費の目安
「固定資産税はいくらくらいですか?」「光熱費はどのくらいかかりますか?」と聞かれるのは自然なことです。特に初めてマイホームを購入する方にとって、維持費のイメージは大切な判断材料になります。
固定資産税については、実際に納めている金額を答えるのがベストです。例えば「年間でおおよそ12万円です」と具体的な数字を出せば安心されます。ただし、市区町村ごとに評価額が見直されることもあるため、「毎年少しずつ変動があります」と補足するとより丁寧です。
光熱費はライフスタイルによって差が出ます。そのため「4人家族で、電気とガスを合わせて月2万円前後でした」と、世帯人数や使い方と合わせて伝えると参考にしやすくなります。あくまで目安として伝えつつ、「季節や家族構成で変わります」と付け加えるのが誠実な答え方です。
値引きや諸費用の交渉について
内覧の場では「価格交渉は可能ですか?」という質問をされることもあります。この場合は即答せず、冷静に対応するのがポイントです。
まずは「価格については不動産会社を通じてご相談ください」と伝え、直接のやり取りを避けるのが基本です。不動産会社が間に入ることで、公平性と冷静さを保てます。
また、値引きの余地がある場合でも「状況に応じて相談させていただきます」とやわらかく伝えると角が立ちません。はっきり「絶対に値引きしません」と言ってしまうと、購入希望者の気持ちを冷ましてしまうこともあるからです。
諸費用に関しては、「登記費用やローン関連の手数料は買主様ご負担になります」「こちらで負担できるのは印紙代や一部の修繕費までです」と範囲を明確にしておくと、トラブル防止につながります。
費用や条件に関する質問は、買主にとって購入を決断する最後の壁ともいえます。数字を根拠に答えること、交渉は不動産会社を通すこと、この2つを徹底するだけで、売主の信頼度は大きく高まります。
※「費用の説明に自信がない」「値引き交渉で失敗したくない」と感じる方は、経験豊富な不動産会社に任せるのが安心です。三井のリハウスなら交渉の進め方も含めて丁寧にサポートしてくれます。
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内覧時に売主が心がけること
内覧は、購入希望者が物件を最もリアルに感じ取る瞬間です。ここでのやり取り次第で「この家に住みたい」と思ってもらえるかどうかが決まるといっても過言ではありません。では、売主はどのような姿勢で臨むべきでしょうか?ポイントは「正直さ」と「印象づくり」です。
正直に伝えるべきことと伝え方
売主として一番大切なのは、事実を正しく伝えることです。不具合や過去の修繕歴、周辺環境に関する気になる点を隠してしまうと、後から契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)のトラブルにつながる可能性があります。
例えば「以前、屋根から雨漏りがありましたが、3年前に修繕してからは問題ありません」といったように、事実とその後の対応をセットで伝えると誠実さが伝わります。
また、「駅が近い分、夜は電車の音が少し聞こえます。その代わり、通勤にはとても便利です」といったように、マイナス面をメリットと合わせて伝える工夫も効果的です。完全に欠点を隠すのではなく、暮らしの中でどう受け止められるかを示すことで、購入希望者の納得感が高まります。
印象を良くするための準備と工夫
内覧前の準備も、成約率を大きく左右します。第一印象を良くするためには、次のような工夫が効果的です。
- 清掃と整理整頓
玄関やリビングは特に念入りに掃除をして、明るくすっきり見せましょう。余分な家具や荷物は減らして、空間の広さを感じてもらうことが大切です。 - 換気と照明
内覧前には窓を開けて空気を入れ替え、照明をすべて点けて明るい雰囲気を演出します。暗さや匂いは、購入希望者の印象を大きく損なう要因です。 - 季節感に合わせた工夫
夏ならエアコンで室温を快適に、冬なら暖房で暖かさを感じてもらうと、実際に住んだ時のイメージがしやすくなります。 - ちょっとした気遣い
スリッパを用意する、カーテンを開けて日差しを取り込むなど、小さな配慮が「丁寧に暮らしてきた家」という印象を与えます。
購入希望者は、無意識に「この家での暮らし」をシミュレーションしています。清潔感や居心地の良さを感じてもらえれば、それだけで物件の魅力は一段と高まります。
内覧時に大切なのは、隠さず誠実に伝えること、そして準備を怠らず良い印象を与えること。この2つを意識するだけで、売主への信頼感は大きく変わり、スムーズな成約につながります。
※「内覧準備にどこまで力を入れればいいのか?」と迷う方は、不動産会社にアドバイスをもらうのが一番です。三井のリハウスなら、購入希望者の反応を踏まえた具体的な改善提案もしてくれます。
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ケース別Q&A集
内覧での質問は一般的なものに加えて、物件の背景によっても変わります。特に「相続物件や空き家」「住み替えやローンが残っている」ケースでは、購入希望者の関心や不安が違うため、事前に想定しておくことが大切です。ここでは状況別によくある質問と答え方をまとめます。
相続物件や空き家の場合
相続物件や長期間の空き家では、「管理状態」や「法的な手続き」が気になるポイントです。
よくある質問は次のようなものです。
- 「どのくらい空き家だったのですか?」
- 「シロアリやカビなどの被害はありませんか?」
- 「相続登記は済んでいますか?」
答え方のコツは、管理の状況を具体的に示すことです。例えば「3年間空き家でしたが、月1回は換気と清掃をしていました」「相続登記はすでに済ませてあり、売却に支障はありません」といったように伝えると安心感を与えられます。
逆に「しばらく手入れをしていなかった」という場合も、正直に伝えたうえで「その分、購入後にリフォームして自分好みにしやすいと思います」と前向きな視点を添えると印象が良くなります。
住み替えやローンが残っている場合
住み替えや住宅ローン残債がある場合は、購入希望者から次のような質問を受けることがあります。
- 「いつから入居できますか?」
- 「ローンの返済はどうなるのですか?」
- 「売却後の引き渡し時期は調整できますか?」
この場合のポイントは、スケジュールを明確に伝えることです。例えば「新居の完成が◯月なので、引き渡しはその後になります」と具体的に伝えると安心されます。
ローン残債について直接聞かれた場合は、「金融機関と調整のうえ、引き渡し時に残債は完済しますのでご安心ください」と答えるのが適切です。金融面の詳細は不動産会社や銀行と調整する必要があるため、内覧時は大枠の説明にとどめるのが無難です。
また、住み替えの場合は「仮住まいを確保しているので、引き渡し時期は柔軟に対応可能です」と伝えると購入希望者の不安が和らぎます。
ケースごとに質問の傾向は異なりますが、共通するのは「曖昧にせず、できるだけ具体的に伝えること」です。誠実な対応が購入希望者の信頼を得て、契約成立につながります。
※「相続物件で手続きが不安」「ローンが残っているけど売れるのか?」と悩んでいる方は、専門知識のある不動産会社に相談するのが一番安心です。三井のリハウスでは、法的な手続きや金融機関との調整までトータルでサポートしてくれます。
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まとめ 内覧対応で信頼される売主になるために
内覧は、購入希望者にとって「ここで暮らしたいかどうか」を見極める大切な機会であり、売主にとっては物件の魅力を最も伝えられる場です。だからこそ、対応ひとつで信頼度が大きく変わります。
大切なのは次の3つです。
- 正直さを貫くこと
築年数や不具合、過去のトラブルは隠さず、修繕歴や改善の工夫をあわせて伝えることが信頼につながります。 - 生活の実感を添えて説明すること
日当たりや騒音、周辺環境などは、数字や体験談を交えて話すと購入希望者が暮らしをイメージしやすくなります。 - 印象を良くする準備を怠らないこと
清掃や換気、ちょっとした気配りで「丁寧に暮らしてきた家」という印象を与えることができます。
こうした積み重ねが「この売主さんなら安心できる」と思ってもらえる一番の近道です。内覧は交渉の場ではなく、信頼を築く場。その姿勢を忘れなければ、自然と購入希望者の心に届きます。
※「内覧対応で不安がある」「プロに任せてスムーズに進めたい」という方は、不動産会社にサポートしてもらうのも安心です。三井のリハウスなら、内覧準備から質問対応のアドバイスまできめ細かく支援してくれます。
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