ゆうき
ゆうき

不動産売却や賃貸で内覧を成功させるには、家具を残すか空室にするかが大きなポイントです。悩んだときの判断基準や印象を上げる工夫を解説します。目次を見て必要なところから読んでみてください。

家具は残すべきか片付けるべきか(内覧での第一印象)

家を売却するとき、あるいは賃貸で貸し出すときに必ず通るのが「内覧」です。購入希望者や入居希望者が部屋を訪れたときの印象が、そのまま契約に直結することも少なくありません。そこで気になるのが「家具を残したままにするか、それとも空っぽにした方がいいのか」という問題です。あなたも迷ったことはありませんか?
家具があれば生活のイメージが湧きやすい一方、空室の方が広さを実感しやすいという声もあります。では、どちらが正解なのでしょうか。実はケースによって適切な選択肢が変わるのです。

ここでは、家具を残すべき場合・片付けた方がいい場合・一部だけ残す場合の3つに分けて解説していきます。あなた自身の状況に照らし合わせて考えてみてください。

家具を残した方が良いケース

家具を残すことでメリットが出るのは、「生活のイメージを伝えたいとき」です。特にファミリー向けの戸建てや、リビングの広さをアピールしたい場合には、ソファやダイニングセットがあると効果的です。

例えば、築15年の3LDKマンションを売却した方の事例では、空室にしたときは「狭く感じる」との声が多く、なかなか買い手がつきませんでした。しかし、家具を戻して生活感を演出したところ、1か月以内に申し込みが入ったそうです。これは「家具があることで実際の暮らしを想像できたから」だと考えられます。

また、インテリアに自信がある場合も強みになります。モデルルームのようにセンスよく整った空間は、写真映えしやすく広告効果も高まります。

ただし注意点もあります。古い家具や色褪せたソファ、雑多な本棚などはかえってマイナス印象につながる可能性があるのです。家具を残すなら、状態が良く清潔感のあるものに絞りましょう。

空っぽにした方が良いケース

一方で、家具をすべて片付けた方が良い場合もあります。代表的なのは「狭さが気になる物件」や「築古物件」のケースです。家具があると圧迫感が強まり、実際よりも狭く感じさせてしまうのです。

数字で見ても、東京都内の中古マンション市場では「空室の方が広さを感じる」と回答した購入検討者が約6割という調査結果もあります。つまり、特にワンルームや1LDKなどの小さめの間取りでは、家具を置かない方が有利に働くことが多いのです。

さらに、空室にすることで「すぐに入居できる」という印象を与えることができます。内覧者は「ここならすぐ生活を始められる」と安心感を持ちやすくなるのです。

ただし、空っぽにしすぎると「殺風景」「寒々しい」と感じられることもあります。その場合は照明やカーテンだけは残すなど、最低限の演出を工夫しましょう。

家具が一部あった方が良い場合(バランスの取り方)

実は一番おすすめされるのが「家具を一部だけ残す」という中間的な方法です。これを不動産業界では「ホームステージング」と呼びます。

例えば、ベッドルームにはベッドを置いて寝室の雰囲気を出しつつ、余計な衣類や荷物は片付けておく。リビングにはソファとテーブルだけを残し、余白を意識して広さを演出する。こうすることで、生活感とスッキリ感を両立できます。

私自身が見学したある物件でも、リビングに最低限の家具と観葉植物だけを置いた演出がされていました。その結果、内覧者は「実際に住んだらこんな感じかな」とイメージしやすく、同時に「広い」という印象も持てていました。

このように、一部の家具を残して演出するスタイルは、購入者・入居者の想像力をかき立て、決断を後押しする効果があります。コストを抑えながらも、効果的に印象を高めたい方に最適です。


家具を残すか片付けるか。どちらが正しいかは一概に言えません。大切なのは「自分の物件の強みをどう見せたいか」という視点です。広さを強調したいなら空っぽに、暮らしのイメージを伝えたいなら家具を残す。一部残す方法はその中間として、バランスの良い選択肢になります。

あなたの物件は、どんな見せ方が一番魅力的に映るでしょうか?一度、家具を置いた場合と片付けた場合の両方を試して、写真に撮って比べてみるのもおすすめです。そのうえで最も印象の良い形を選ぶことが、内覧成功への近道になるはずです。

次に内覧準備を進めるときは、「家具を残す?空っぽにする?」と迷ったら、今日お伝えした3つのパターンを思い出してみてください。判断基準がはっきりすれば、あなたの物件もきっと好印象を持たれるはずです。好印象を与えるための部屋作りの基本

内覧で大切なのは「第一印象」です。玄関を開けた瞬間に「きれい」「住みやすそう」と感じてもらえるかどうかで、その後の評価は大きく変わります。では、具体的にどんな準備をすればよいのでしょうか?ここでは清掃や整理整頓、生活感の調整、そして五感に訴える工夫を紹介していきます。あなたの部屋を「また来たい」と思わせる空間に整えてみませんか?

清掃と整理整頓のポイント

まず最優先なのは清掃です。部屋がきれいかどうかは、内覧者が最も敏感に感じ取る部分です。特に次の場所は重点的に手を入れましょう。

  • 玄関:靴は最小限に。床はピカピカに磨いておく。
  • キッチン:水垢や油汚れは徹底的に落とす。シンクの輝きは印象を大きく左右します。
  • バスルーム・トイレ:カビや臭いを徹底的に排除。清潔感がないとマイナス評価になりがちです。

また、整理整頓も欠かせません。棚や収納はなるべくスッキリさせ、生活用品は見えない場所にまとめましょう。特にクローゼットは「収納力」を見られる場所なので、ぎゅうぎゅう詰めはNGです。収納の6〜7割程度に収めて余裕を見せると「この家は片付けやすそう」と思ってもらえます。

生活感を消す工夫と残す工夫

内覧でよくある失敗は「生活感が強すぎる」ことです。洗濯物が干してある、食器が山積み、子どものおもちゃが散乱している…これでは、内覧者が「自分が住む姿」を想像できません。

ただし、生活感を完全に消し去ると「モデルルームみたいで現実味がない」と感じられることもあります。大切なのは、残す生活感と消す生活感のバランスです。

  • 消すべき生活感:洗濯物、ゴミ箱、冷蔵庫のマグネット、使いかけの調味料、歯ブラシなどの生活必需品。
  • 残して良い生活感:観葉植物、季節の小物、整えられたダイニングセットなど「快適に暮らすイメージ」を補うもの。

例えば、テーブルにおしゃれなランチョンマットと花を飾るだけでも、印象は大きく変わります。要は「住みやすそう」と思わせる演出を残すことがポイントです。

においや照明など五感への配慮

視覚だけでなく、五感に訴える工夫も効果的です。

  • におい:生活臭は一番のマイナス要因です。カーテンや布製ソファに染み付いた匂いは特に気づかれやすいので、洗濯や消臭スプレーでケアしましょう。内覧直前には窓を開けて換気を行い、さりげなくアロマを焚くのもおすすめです。ただし香りが強すぎると逆効果なので、柑橘系やグリーン系の自然な香りを選びましょう。
  • 照明:昼間でも照明をつけて明るさを演出しましょう。特にリビングやキッチンは温かみのある電球色が好印象です。暗い部屋は「狭い・古い」と感じられやすいので、照明で印象を底上げするのが鉄則です。
  • 温度・湿度:夏は涼しく、冬は暖かい環境に整えることで「住みやすい」と感じてもらえます。冷暖房の効き具合を体感できるのも内覧のメリットなので、当日の天候に合わせて調整しておきましょう。

五感に訴える工夫を取り入れることで、「またこの部屋を見たい」「住んでみたい」という気持ちが自然に生まれます。小さな配慮が、大きな差につながるのです。

ホームステージングという考え方

最近、不動産業界で注目されているのが「ホームステージング」という手法です。もともとはアメリカで広まった考え方で、売却や賃貸に出す物件をモデルルームのように整えて見せることで、早期成約や高値売却を目指すものです。

「家具を残すか、空っぽにするか」で迷ったときにも、このホームステージングの発想が役立ちます。要は「ただの部屋」を「住みたくなる部屋」に変える演出をすること。それだけで、内覧者の印象は大きく変わるのです。

あなたも「この部屋ならすぐにでも住みたい」と思えるような空間に整えてみませんか?

モデルルームのように演出する方法

モデルルームを訪れたことはありますか?家具や小物が配置されていて、生活のイメージが自然と浮かぶ空間になっていますよね。あれこそがホームステージングの代表例です。

具体的なポイントは以下の通りです。

  • 家具のレイアウトを整える:大きな家具は壁際に寄せ、通路を広く確保することで開放感を演出できます。
  • 色の統一感を出す:カーテン、クッション、ラグなどを同系色でまとめると「センスのある部屋」という印象に。
  • 余白を残す:家具や装飾を詰め込みすぎず、あえて空間を残すことで広さを感じさせられます。

実際、不動産仲介会社の調査では「ホームステージングを施した物件は、未対応の物件に比べて平均売却期間が約3分の1短縮された」という結果も出ています。つまり、演出の工夫は決して自己満足ではなく、数字にも表れる効果なのです。

少しの工夫で印象が変わる小物活用

「でも、家具を買い替えるのは大変そう…」と思った方もいるかもしれません。実は小物を少し工夫するだけでも十分印象は変わります。

  • クッションやラグ:鮮やかな色をアクセントに加えると、部屋にメリハリが生まれます。
  • 観葉植物:手入れが簡単なものでも、置くだけで空間が生き生きします。
  • 食器や花:ダイニングテーブルにワイングラスや花を並べると、暮らしのシーンを想像させやすくなります。

例えば、殺風景なワンルームに観葉植物とスタンドライトを置くだけで「落ち着く雰囲気」に早変わりします。費用にして1〜2万円程度ですが、内覧者に与える印象は大きくプラスに傾きます。

ホームステージングは「高額なリフォーム」ではありません。小さな工夫の積み重ねで、部屋の印象を劇的に変えることができます。あなたの物件も、少しの演出で「選ばれる部屋」になるはずです。売却・賃貸における家具の有無によるメリット・デメリット

物件を売却したり賃貸に出したりする際、「家具を置いたままにするか」「完全に空室にするか」は多くのオーナーが悩むポイントです。どちらにもメリットとデメリットがあり、内覧者の印象にも直結します。ここでは家具の有無による効果を整理してみましょう。

家具付きで見せる場合の利点と注意点

家具付きの物件を内覧してもらう大きな利点は、暮らしのイメージが湧きやすいことです。特にリビングにソファやダイニングセットがあると、家族でくつろぐシーンが自然と浮かびます。

さらに賃貸の場合、「そのまま家具を使えるなら引っ越しがラク」と感じる人もいます。とくに単身者や転勤族には需要が高く、成約につながりやすいケースもあります。

一方で、注意すべき点もあります。

  • 古びた家具や傷んだ家具は逆効果
  • テイストが強すぎるインテリアは好みが分かれる
  • 付属家具の修繕・管理責任がオーナー側に残る

実際、ある売却物件では「大型のソファが圧迫感を出して狭く見えた」と内覧者に言われ、撤去した途端にスムーズに契約が進んだ例もあります。つまり家具を置く場合は「状態の良い・万人受けするもの」に限定するのが鉄則です。

空室で見せる場合のメリットと課題

家具をすべて撤去した空室で見せる最大のメリットは、広さを実感してもらえることです。特にワンルームや1LDKなどコンパクトな間取りでは、家具があると狭さを強調してしまうため、空室の方が印象は良くなります。

また、空っぽにすることで「入居後すぐに使える」「自由にレイアウトできる」といった安心感を与えられるのも強みです。

ただし課題もあります。

  • 殺風景で冷たい印象を持たれやすい
  • 広すぎる部屋は「生活イメージが湧かない」と言われることがある
  • 写真映えしにくく、広告効果が弱まる場合もある

そこで有効なのが、カーテンや照明、観葉植物などの小物を少し加える工夫です。完全な空室ではなく「余白を残しつつ温かみを演出する」ことで、無機質な印象を避けることができます。


結局のところ、「家具付き」と「空室」には一長一短があります。家具を残すか撤去するかは、物件の広さ・ターゲット層・家具の状態などによって判断するのが最適です。あなたの物件にとってどちらが魅力を引き出せるのか、内覧者の目線で考えてみることが成功への近道になるでしょう。内覧でよくある疑問と解決策

内覧準備をしていると、誰もが同じような悩みに直面します。「荷物が多いけど隠せない」「まだ住んでいるけど大丈夫?」「できればお金をかけずに印象を良くしたい」──。そんな声をよく耳にします。ここでは、実際によくある疑問に対する解決策を整理しました。あなたの状況にもきっと当てはまるポイントが見つかるはずです。

「荷物が多いけどどうしたらいい?」

多くの方が最初に悩むのがこれです。特に家族で長年暮らした住まいは、どうしても物が増えてしまいますよね。荷物が多いと部屋が狭く見え、内覧者が「収納が少ないのでは」と誤解してしまうこともあります。

解決策としては、まず不要品を思い切って処分すること。すぐに捨てられない物は、トランクルームや実家に一時的に預けるのも有効です。実際、売却前に荷物を半分に減らしただけで「部屋が広く見える」と好印象を得られた事例もあります。

収納スペースには余白を残すこともポイントです。クローゼットがパンパンだと圧迫感が出るので、6割程度に収めると「余裕のある家」という印象を与えられます。

「住みながら売却する場合の工夫は?」

空き家で売却できればベストですが、多くの方は住みながら売却活動を進めます。その場合は「生活感のコントロール」が大切です。

  • 毎日の掃除を簡単にできる仕組みをつくる(物を定位置に戻す、掃除道具をすぐ出せる場所に置くなど)
  • 内覧予定日の前日には洗濯物や食器を片付けておく
  • 玄関やリビングだけでも常に整えておく

ある方は「内覧前だけホテル暮らし感覚でリセットする」と意識した結果、買い手から「きれいに使われている家ですね」と言われたそうです。住みながらでも、工夫次第で清潔感は十分に伝わります。

ただし、ペットを飼っている場合は毛や匂いに注意が必要です。換気や消臭を徹底し、内覧時はペットを別室に移すと安心です。

「費用をかけずに印象を上げる方法は?」

「リフォームまではしたくないけど、印象を良くしたい」という相談も多いです。実はお金をかけずにできる工夫はたくさんあります。

  • 照明を明るめにする:昼間でも照明をつけると、広く温かみのある空間に見えます。
  • カーテンを開けて採光を確保:自然光は最大の演出効果です。
  • 観葉植物や花を飾る:小さなグリーンを置くだけで空間が生き生きします。
  • 玄関マットやラグを新調:清潔感を簡単に演出できるポイントです。

実際に、不動産会社の調査では「リフォームなしで印象を上げる最も効果的な方法は掃除と照明」との回答が多数でした。つまり、大きな投資をしなくても、小さな工夫で十分に差がつけられるのです。


内覧の準備に完璧を求める必要はありません。大切なのは「住みやすそう」と思わせること。荷物の整理、生活感のコントロール、ちょっとした演出。これらを意識すれば、費用をかけなくても確実に印象を良くすることができます。あなたの物件も、少しの工夫で魅力を最大限に引き出せるはずです。