
不動産売却は担当者の力量で大きく結果が変わります。若手だと不安…でも本当に大丈夫?経験豊富な営業マンの見分け方を解説します。目次を見て必要なところから読んでみてください。
担当者が若くて不安を感じるのはなぜか
不動産売却を検討する時、多くの方が最初に出会うのは営業担当者です。ところが、その担当者があまりに若いと「大丈夫かな?」「経験不足ではないか?」と不安になりますよね。あなたも同じように感じたことはありませんか?
不動産は高額な取引です。数百万円から数千万円が動く世界で、担当者の力量ひとつで結果が大きく変わることもあります。だからこそ「担当者の経験値」が気になってしまうのです。
しかし本当に年齢が若い=経験が浅い、ということなのでしょうか?また、若手担当者では安心できないのでしょうか?ここでは、担当者が若いときに抱く不安の正体を整理し、冷静に判断するための視点をお伝えしていきます。
不動産売却は担当者の力量に左右される
不動産売却は、担当者の力量によって成功か失敗かが大きく分かれます。例えば同じエリア、同じ条件の物件であっても、売却活動の仕方次第で成約スピードや価格が大きく変わるのです。
私の知人は、2社に査定を依頼しました。A社の担当者は経験豊富で、物件の長所と短所を丁寧に説明してくれ、販売戦略も具体的でした。B社の担当者は若く、説明もどこか曖昧。結果、同じ物件なのに査定額や売り出し方に大きな差が出ていました。
このように、担当者の力量は不動産売却に直結します。だからこそ「若い担当者で大丈夫?」と不安になるのも自然なことです。
年齢と経験は必ずしも比例しない
ただし、年齢と経験は必ずしも比例するわけではありません。40代でも転職して間もない営業マンもいれば、20代でも入社以来数年間で数十件の売却を担当している人もいます。
実際、大手不動産会社では20代の若手が第一線で活躍しているケースも珍しくありません。1年間で10件以上の売却を担当する営業もおり、数年で30件、50件という実績を積む人もいます。
一方で、業界歴が長いからといって必ずしも優秀とは限らないのも現実です。古い慣習にとらわれて最新の広告手法を活用できないベテランよりも、SNSやWebマーケティングに強い若手の方が成果を出すこともあります。
つまり「若いから不安」というのは、実は根拠の薄い思い込みである場合も多いのです。
不安を解消するために知っておくべき視点
では、どうすれば「若い担当者だから不安」という気持ちを解消できるのでしょうか?ポイントは3つあります。
- 実績を確認する
「これまでにどのくらいの売却を担当しましたか?」と聞いてみましょう。件数だけでなく、同じエリアや価格帯の事例があるかを知ることが大切です。 - 説明の分かりやすさを見る
専門用語ばかりではなく、素人にも理解できるように説明してくれるかどうか。これだけで力量が透けて見えます。 - サポート体制を確認する
若手担当者であっても、上司やチームがしっかりフォローしている会社なら安心です。逆に担当者任せにする会社は要注意です。
実際に面談をしてみると、不安が和らぐこともあります。「若いから不安」と考えるのではなく「実際に話して納得できるか」を基準にするのが賢い判断です。
まとめ
担当者が若いと「経験不足では?」と不安に感じるのは自然なことです。しかし、年齢と実力は必ずしも一致しません。大事なのは、
- 実績があるか
- 説明が分かりやすいか
- サポート体制が整っているか
この3点を冷静にチェックすることです。
あなた自身が納得して任せられる担当者かどうか。そこを基準に判断すれば、若手であっても安心して不動産売却を任せられるはずです。
さて、あなたがこれから相談する予定の担当者は、この3つの条件を満たしていそうでしょうか?ぜひ一度、確認してみてください。
経験豊富な営業マンの見分け方
では、具体的に「経験豊富な営業マン」をどうやって見分ければよいのでしょうか。年齢や肩書きではなく、日々のやり取りや説明の仕方にその実力が表れます。ここでは、判断のための3つの視点をご紹介します。あなたも実際に面談する時に、このチェックポイントを思い出してみてください。
提案力と説明力があるか
経験豊富な営業マンは、単に「売りましょう」と言うだけではなく、物件の状況に応じた具体的な提案をしてくれます。例えば、
- 「内覧前にこの部分を修繕すると印象が良くなります」
- 「今の相場を踏まえると、この価格帯で出すのが現実的です」
といったアドバイスです。さらに、難しい専門用語をそのまま使うのではなく、噛み砕いて説明してくれるのも特徴です。
逆に、説明が曖昧で「とにかく高く売れますよ」とだけ言う担当者は要注意です。経験が浅いか、誠実さに欠けている可能性があります。
市場データや実績に基づいた話をしているか
「相場より高めに売り出しましょう」と言われたとき、あなたならどう感じますか?その提案に信頼性があるかどうかは、データの根拠があるかで見極められます。
経験豊富な営業マンは、過去の成約事例やレインズ(不動産流通システム)のデータを用いて説明します。例えば「この地域では直近1年で同規模の戸建てが平均〇〇万円で成約しています」といった具体的な数字です。
一方で「感覚的にこのくらい」と曖昧に話す人は、経験不足かもしれません。数字や実績を根拠にした説明があるかどうか、必ずチェックしましょう。
質問への回答が具体的でわかりやすいか
打ち合わせの場で質問を投げかけたとき、その回答の仕方に担当者の実力が表れます。
例えば「売却にどのくらいの期間がかかりますか?」という質問に対して、経験豊富な営業マンなら「このエリアの平均は3か月前後です。ただ、築年数が古いため4〜5か月かかる可能性もあります」といった具合に具体的な答えを返してくれます。
逆に「だいたい早ければすぐ売れますよ」としか言わない担当者は、根拠に乏しいか、経験が不足している可能性があります。
質問への答えが 具体的かつ分かりやすい かどうか。この一点を見極めるだけでも、担当者の信頼度を大きく判断できるのです。
不動産売却は一度きりの大きな取引になることが多いですよね。だからこそ、担当者選びは慎重に行う必要があります。経験豊富な営業マンを見分けるためには、提案力、データに基づく根拠、そして質問への答えの具体性。この3つをしっかり確認してみてください。
信頼できる担当者の共通点
経験豊富かどうかだけでなく、「信頼できるかどうか」も担当者選びでは欠かせない視点です。なぜなら、売却の最中に何度もやり取りを重ねる相手だからです。ストレスを感じる担当者では、大事な取引を安心して任せられませんよね。ここでは、信頼できる担当者に共通する3つの特徴を整理しました。
コミュニケーションの取りやすさ
不動産売却では、ちょっとした疑問や不安をすぐに解消できるかが重要です。質問を投げかけたときに、丁寧に返答してくれるかどうか、また連絡のレスポンスが早いかどうかも見極めポイントです。
実際に、売却経験者のアンケートでは「担当者と連絡が取りづらくて不安になった」という声が少なくありません。逆に、気軽にLINEやメールで相談できて即座に回答がもらえた担当者は高評価につながっていました。
安心感のあるやり取りができるかどうか。それが信頼の第一歩です。
誠実な対応と透明性
信頼できる担当者は、都合の悪い情報も隠さずに伝えてくれます。たとえば「このエリアでは築年数の古い物件は売却に時間がかかる可能性があります」といった現実的な説明です。
誠実さを測るポイントは「リスクをきちんと伝えてくれるか」。メリットだけを並べ立てて契約を急がせる担当者は注意が必要です。
また、仲介手数料や広告費などの費用についても、内訳を明確に提示してくれる担当者は信頼度が高いといえるでしょう。お金の話を濁す人ほど後からトラブルになる可能性があります。
定期的な報告と情報共有の姿勢
不動産売却では、売り出してから成約するまで数か月かかるのが一般的です。その間、どれだけ販売活動が進んでいるのか、気になりますよね。
信頼できる担当者は、内覧数や問い合わせ件数などを定期的に報告してくれます。例えば「今月は〇件の問い合わせがありました」「反響はあるものの、価格が高めと指摘されています」といった報告です。
こうした情報共有があると、売主も次の判断をしやすくなります。逆に、報告がないまま時間だけが過ぎていくと「本当に動いてくれているのか?」と不安になります。
透明性のある定期報告があるかどうか。ここも信頼できる担当者を見極める重要なポイントです。
信頼できる担当者は「話しやすい・誠実・報告が丁寧」というシンプルな共通点を持っています。結局のところ、あなたが「この人なら任せても大丈夫」と思える安心感を与えてくれるかどうか。それが信頼の本質なのです。
注意すべき営業マンの特徴
信頼できる営業マンの反対に、注意しておきたい担当者の特徴も存在します。不動産売却は金額が大きい分、担当者選びを間違えると取り返しがつかないことになりかねません。ここでは、特に気をつけたい3つの特徴を解説します。あなたの前に現れた担当者がこれに当てはまっていないか、セルフチェックしてみてください。
根拠なく高い査定額を提示する
「うちなら〇〇万円で売れますよ!」と相場より明らかに高い金額を提示してくる担当者は要注意です。
高い査定額は一見すると魅力的ですが、根拠がなければただの「釣り査定」です。最初は高値で売り出し、結局売れずに値下げを繰り返すケースが多く、時間だけが無駄になってしまいます。
本当に経験豊富な営業マンは、近隣の成約事例や市場データを示しながら「この価格なら〇か月以内に売れる可能性が高い」と現実的な説明をします。数字の裏付けがあるかどうかを確認することが大切です。
契約を急かす・強引な態度
「今すぐ契約しないと売れませんよ」「今日中に決めてください」といった強引なセールストークも危険信号です。
冷静に考えてみてください。不動産は数百万円〜数千万円規模の資産です。冷蔵庫やテレビを買うのとは訳が違います。本来であれば比較検討し、家族とも相談した上で決断するのが自然です。
それを「今すぐ」と急かすのは、売主に考える時間を与えずに契約を取りたいだけの態度。売主本位ではなく、自分本位の営業マンといえます。
専門用語ばかりで説明が不十分
「レインズに登録すれば…」「契約不適合責任が…」といった専門用語を並べ立てるだけで、売主が理解しているかどうかを確認しない担当者も注意が必要です。
もちろん不動産取引には専門用語が多いのは事実です。ただし、本当に優秀な営業マンは、それを分かりやすくかみ砕いて説明してくれます。
たとえば「レインズとは、不動産会社同士で情報を共有するシステムです。これに登録されると、全国の会社がお客様の物件を紹介できるようになります」といった具合です。
もしも説明が曖昧で「とにかく大丈夫ですから」と濁すようなら、売主に寄り添う姿勢が欠けていると考えてよいでしょう。
担当者選びで失敗する人の多くは、このような「注意すべきサイン」を見落としています。冷静にチェックすれば避けられることも多いのです。不動産売却を安心して進めるためには、営業マンの強引さや曖昧さに流されず、理性的に判断することが大切です。
若手担当者でも信頼できるケース
ここまで「経験豊富な営業マンの見分け方」や「注意すべき特徴」を見てきましたが、若手担当者だからといって必ずしも不安要素になるとは限りません。むしろ、若手ならではの強みを持ち、安心して任せられるケースもあります。では、どんな状況なら「若手でも信頼できる」と言えるのでしょうか。
上司やチームでのサポート体制がある
若手担当者一人では経験が浅くても、会社全体でフォロー体制が整っていれば安心です。例えば、査定や販売戦略を立てるときに上司が同席したり、定期的に社内で案件を共有している会社なら、複数人の知見が活かされます。
実際、大手不動産会社では「若手+ベテラン」というチーム体制で案件を進めることも多く、売主にとっては二重の安心感があります。若手担当者に依頼する際は「バックアップ体制があるか」を確認してみましょう。
最新のITやマーケティングに強い
若手世代はSNSやWeb広告の扱いに長けていることが多いです。最近の不動産売却はネット集客が中心で、ポータルサイトやSNS広告の見せ方一つで問い合わせ数が大きく変わります。
ある売主は、若手担当者がInstagramを活用して物件紹介をした結果、従来よりも早く買い手が見つかったそうです。こうした新しいマーケティング手法に強いのは、若手ならではのメリットといえるでしょう。
誠実さと学ぶ姿勢がある
最後に欠かせないのが人柄です。経験が少なくても「分からないことはすぐ確認します」と正直に伝えたり、常に学ぼうとする姿勢があれば、信頼できるパートナーになります。
逆に、知識が浅いのに自信満々で答える担当者の方が危険です。誠実に課題を共有し、解決策を一緒に探してくれる若手は、安心して任せられる存在となります。
「若いから不安」と一括りにするのはもったいないことです。チームのサポート体制、最新のマーケティング力、そして誠実な姿勢。この3つが揃っていれば、若手担当者でも十分に信頼して不動産売却を任せることができるのです。
担当者選びで後悔しないために
ここまでで、不動産売却における担当者の重要性や見分け方を整理してきました。最後にお伝えしたいのは「どうすれば後悔しない担当者選びができるか」という点です。数千万円規模の取引を任せるのですから、慎重に判断したいですよね。ここでは実際に行動できる3つのステップをご紹介します。
複数社・複数人を比較する
最初から一社に絞ってしまうのはリスクがあります。なぜなら、査定額や販売戦略、担当者の力量は会社や人によって大きく差があるからです。
例えば、同じ物件を査定してもA社は3,000万円、B社は2,600万円という結果になることも珍しくありません。その差を見て初めて「根拠があるか」「現実的か」を比較できます。
実際に2〜3社に相談し、担当者の説明や対応を比べてみると、信頼できるかどうかが見えてきます。「複数の担当者を比べてから決める」ことが、後悔を避ける第一歩です。
担当者変更の希望を伝える方法
契約後に「この担当者とは合わないな…」と感じることもあります。そんな時に大事なのは、遠慮せずに担当者変更をお願いすることです。
不動産会社にとって、売却の成功は会社全体の利益につながります。売主が不安を抱えたまま進めるより、担当者を変えた方がスムーズに取引が進むケースも多いのです。
伝え方はシンプルで構いません。「別の担当の方にお願いできませんか?」と正直に伝えるだけで大丈夫です。優良な会社ほど柔軟に対応してくれます。
最終的に重視すべきポイント
複数の会社や担当者を比べても、最後は「誰に任せるか」を決めなければなりません。その際に重視すべきは、次の3点です。
- 提案内容が現実的か(高値ばかりを強調していないか)
- 説明がわかりやすいか(専門用語をかみ砕いて説明してくれるか)
- 誠実さがあるか(不利な点も隠さず伝えてくれるか)
この3つを満たす担当者なら、年齢やキャリアにかかわらず信頼して任せられるはずです。
不動産売却は一度きりの大きな取引になることが多いものです。だからこそ「担当者をしっかり比較する」「合わなければ変更する」「最終的に誠実さを重視する」──この流れを意識すれば、後悔のない担当者選びができるでしょう。