
愛犬との別れをきっかけに、長年暮らした家を手放した女性の実話です。売却を決断するまでの葛藤と、心の変化に触れてみませんか?目次を見て必要なところから読んでみてください。
老犬との別れとともに、家を手放す決意をした理由
長年暮らした我が家と老犬との思い出
(体験談:奈美さん 神奈川県在住 50代)
私たち家族がこの家で暮らし始めたのは、まだ子どもたちが幼いころでした。注文住宅で、犬を飼うことを前提に設計してもらった家です。階段の下にはペットスペースをつくり、庭には走り回れる芝生を敷きました。老犬のラッキーは、そんな我が家の一員として15年、私たちとともに暮らしてきました。
ラッキーが庭を元気に走っていた頃、子どもたちは小学生で、帰宅するとランドセルを放り投げてはラッキーと遊んでいました。誕生日にはおやつケーキを作ってお祝いし、夏には一緒にベランダで風にあたるのが日課に。家のあちこちには、そうした記憶が刻み込まれていたのです。
ラッキーが年を取り、歩くのがやっとになってからは、寝たきりの介護生活に入りました。それでもこの家にいる限り、どこか安心した顔をしていたように思います。だからこそ、ラッキーが旅立ったとき、この家の空気も一緒に止まってしまったように感じました。
ペットと共に過ごした家には、他にはない深い絆が染み込んでいます。その記憶が美しくあるからこそ、手放すときの葛藤もひとしお。けれど、それは悲しみだけではなく、新しい一歩を踏み出すための、大切な節目でもあるのかもしれません。

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ペットロスと家の中に残る「思い出の匂い」
ラッキーが亡くなってからの数ヶ月間、私は家の中のどこにいても、どこか「ラッキーの気配」を探していました。とくに感じていたのは「匂い」でした。使っていた毛布、ソファに残る毛の香り、おやつを保管していた棚の中、どれもがラッキーを思い出させてくれました。
最初は懐かしさとぬくもりで涙がこぼれました。でも、日が経つにつれて、それがだんだんと重く、心を縛るようになっていったのです。ふとソファに座ると、その隣にラッキーがいないことを改めて実感し、日々の生活の中で「もういないんだ」と突きつけられる感覚に疲れてしまっていました。
さらに、築20年を超えたこの家も、少しずつ修繕が必要になってきていました。床のきしみ、雨の日の湿気、少し古びたキッチン。家族で暮らしていた頃はそれも味わいでしたが、今ではその手入れも私一人。次第に「この家でこれからも暮らし続けるのか?」という問いが、胸の内に芽生えてきました。
大切な存在を見送った家に残る「匂い」は、記憶そのもの。けれど、それが日常の中で心の負担になってしまうこともあります。無理に忘れるのではなく、やさしく折り合いをつけていくことも、心の整理には大切な過程です。

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家族との話し合いで出した一つの結論
ある日、「この家のこと、そろそろ考えようと思うんだけど」と夫に切り出しました。思ったよりもすんなりと、「俺も、同じことを考えていたよ」と返ってきたのを覚えています。それから、何度か夫婦で話し合い、久しぶりに子どもたちも交えて家族全員で話しました。
子どもたちも「お母さんたちが過ごしやすい場所に住んでほしい」「ラッキーとの思い出は心の中にあるから」と背中を押してくれました。誰一人として反対することなく、むしろ安心したようにうなずいてくれたことに、私も救われました。
その後、私たちは家の売却を具体的に検討するようになりました。不安はもちろんありました。でも、「専門の人に相談してみようか」と思えたのは、家族の同意と支えがあったからこそ。次に住む場所のことや、引越し後の暮らしを話す時間が増え、気持ちにも少しずつ前向きな変化が出てきました。
大切な決断ほど、一人で抱え込まないことが何よりの支えになります。家族との話し合いを通して生まれる納得感は、次の一歩を踏み出すための大きな力になります。焦らず、あなたのペースで大丈夫です。

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家を売る前に悩んだこと、ぶつかった現実
感情と現実のギャップ〜思い出の場所を手放すことの辛さ〜
(体験談:浩美さん 埼玉県在住 60代)
「家を売る」と考え始めたとき、一番最初に感じたのは迷いと葛藤でした。30年以上暮らした我が家には、家族の歴史がぎゅっと詰まっています。壁のしみにも、床の傷にも、すべてに思い出が重なっていて、それを手放すなんて考えられないと思っていました。
でも、現実には夫が他界し、子どもたちもそれぞれの家庭を持ち、広すぎる家に一人で暮らす負担が年々重くなっていたのです。掃除も、庭の手入れも、正直なところ、もう体力的にしんどい。けれど、「この家を売る」と決めるまでに時間がかかったのは、やっぱり感情の整理がつかなかったからだと思います。
一度は「賃貸に出す?」という話も出ましたが、それも気が進まず。最終的には「家は思い出のすべてではなく、心の中に残るもの」という娘の言葉に、ようやく前を向く気持ちになれました。
「手放す」と「忘れる」は違います。記憶や想いは、家がなくなっても消えることはありません。だからこそ、「今の自分にとってどんな暮らしが心地よいか?」を見つめることが、自然な一歩になるのだと思います。

築年数や立地、老朽化した家の価値は?
気持ちの整理がつきかけた頃、次にぶつかったのは現実的な壁でした。築35年を超えた木造住宅。駅からも徒歩20分ほどと、決して便利な立地ではありません。「こんな家、売れるのかしら…」という不安が、一気に押し寄せてきました。
不動産に詳しい知人に相談したところ、「築年数が経っていても、土地に価値がある場合もあるよ」と聞いて少し安心。でも、実際に売るとなると、リフォームが必要?査定額はどうなる?と、次から次へと疑問が出てきて、正直、情報に振り回されました。
さらに、譲渡所得や3000万円特別控除など、税金の話も出てきて頭がパンク寸前に。「確定申告も必要になるかもしれない」と聞いて、やっとこさ税理士にも相談することになりました。
家の価値は、見た目や築年数だけでなく、立地・土地・法的条件などいくつもの要素が絡み合っています。ネットの情報だけでは判断が難しいと痛感しました。
築年数があるからといって、価値がないわけではありません。「家」ではなく「土地」に目を向ける視点を持つことで、新しい可能性が見えてくることもあります。不安なことこそ、プロと一緒にひとつずつクリアにしていきましょう。

どこに相談するか?信頼できる不動産会社の探し方
家の売却に向けて、いよいよ不動産会社を探す段階に入りましたが、ここがまた大きな壁でした。「どこに頼めばいいの?」「営業トークだけ上手な会社は避けたい」そんな不安ばかりが募って、なかなか一歩が踏み出せなかったのです。
ネットで調べて出てくるのは一括査定サイトばかり。でも、「一気に何社も連絡が来て対応するのが大変そう」と思って、登録もできずにいました。そんなとき、娘が見つけてくれたのが、地元でも評判がよくて実績のある大手の不動産会社でした。
話を聞いてみると、担当者の方がとても丁寧で、「売ることが目的ではなく、納得のいく選択をしてほしい」というスタンスだったのが印象的でした。専任媒介契約の内容や、売却までの流れも一から説明してくれて、ようやく安心してお任せできると感じたのです。
「この人なら任せられる」と思える出会いが、売却の不安をぐっと軽くしてくれます。大切なのは、不動産を「商品」ではなく、「人生の一部」として向き合ってくれる担当者に出会えること。安心して話せる相手を、ゆっくり見つけていきましょう。

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実際に家を売るまでの流れと体験談
一括査定サイトで相場をチェック。しつこさはある?
(体験談:和子さん 千葉県在住 50代)
家を売ろうと思ったとき、まず最初にやったのが一括査定サイトで相場を調べることでした。ネットで住所や築年数、間取りを入力するだけで、すぐに複数社からの査定結果が届くという仕組みに、「これは便利かも」と思ったんです。
実際、査定自体はスムーズでした。ただ正直なところ、その後の連絡の多さには少し驚きました。電話やメールで「一度ご説明だけでも」といった連絡が数日続き、「これが“しつこい”ってことなのかな」と感じた瞬間もあります。
でも、それもよくよく考えれば、不動産会社としては当然の営業活動。すべてが悪質というわけではなく、丁寧に対応してくれる会社もありました。結果的に、連絡が来た中で話しやすそうな会社を3社に絞り、実際に現地査定をお願いする流れになりました。
一括査定は「相場感を掴むための第一歩」として有効です。ただ、その後の連絡が負担に感じることもあるかもしれません。自分に合ったペースで情報収集し、必要以上に焦らず選ぶことが大切です。

媒介契約の選び方で迷ったことと私の選択
複数の会社から現地査定を受けた後、次に悩んだのが媒介契約の種類をどうするかということでした。「一般媒介なら複数社に頼める」「専任媒介は一社だけだけど報告義務がある」など、それぞれにメリット・デメリットがあると説明されました。
私は当初、複数の会社に任せた方が安心かなと思っていました。でも、ある担当者の「複数社が動くと情報が錯綜して、逆に売却が長引くこともあるんですよ」という話が心に残って。そこで結局、信頼できる1社に絞って「専任媒介契約」を結ぶことにしました。
専任にしたことで、売却活動の進捗をしっかり報告してくれたり、内覧の調整もスムーズに対応してくれたりと、結果的に不安が減って良かったと感じています。
媒介契約は、売却の進め方に直結する大切な選択。何を優先したいのか(スピード・安心・柔軟性など)を考えて、信頼できる担当者とじっくり相談して決めることがポイントです。

内覧対応時に感じた「人に見られる恥ずかしさ」とその乗り越え方
いざ売却活動が始まり、内覧希望の連絡が入るようになると、思った以上に「人に家を見せることへの恥ずかしさ」を感じました。特に、築年数が経っているわが家は、床の傷や壁の汚れが目立っていて、「ここを見られるのか…」と気が重くなったのを覚えています。
でも、担当者が「購入希望者はピカピカの新築を期待しているわけではありませんよ」「住まい方や空気感を感じ取ろうとしているだけです」と話してくれて、少し気が楽になりました。
内覧前には、片付けと掃除を丁寧に行い、生活感を残しつつも清潔感を意識するようにしました。そうすることで、「見てもらう」から「見せてあげる」という感覚に少しずつ変わっていき、最終的には「この家を気に入ってくれるといいな」と思えるようになりました。
内覧は売却に向けた大切なイベントですが、決して“完璧な家”を見せる場ではありません。気持ちの整理と、ほんの少しの準備ができれば、きっと自信を持って迎えられるはずです。

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売却後に感じたこと、心の変化
家を手放した日、涙と安堵の入り混じる気持ち
(体験談:真由美さん 東京都在住 60代)
売却の日が近づくにつれて、やっぱり心の奥にあった寂しさと後悔のような気持ちがじわじわと押し寄せてきました。契約書にサインをして、鍵を引き渡した瞬間、「本当にこれで良かったのかな」と思いながらも、自然と涙が出てきたのを覚えています。
でもその涙は、決して後悔だけではありませんでした。むしろ、長年抱えていた重荷をそっとおろせたような安堵感も確かにあったんです。ずっと「いつかは…」と思いながら踏み出せなかった一歩を、ようやく自分で選び取れた。そんな不思議な達成感もありました。
家を手放すという決断は、感情の整理と現実との折り合いをつける長い時間が必要でした。でもその過程で、自分の想いや家族との会話を大切にすることができたからこそ、最後には「ありがとう」と言える別れ方ができたのだと思います。
大切なものを手放すとき、涙が出るのは自然なこと。でもその涙の中には、ちゃんと前に進む覚悟や安心感が混ざっているのだと思います。あなたが選んだ道は、きっと間違っていません。

住み替え先での新しい生活と向き合い方
新居は、駅からも近く、バリアフリーの設備が整ったコンパクトなマンションです。はじめは「この静けさに慣れるのかな…」と不安もありましたが、徐々に生活に馴染み、気づけば自然と笑顔が増えている自分に気づきました。
特に嬉しかったのは、同じ世代の住人が多くて、挨拶や立ち話が自然にできること。以前の家では近所づきあいが減っていたので、新しいつながりができたことが意外と大きな支えになっています。
もちろん、古い家にいた頃の思い出が完全に消えるわけではありません。ふとしたときに懐かしさがこみ上げてきたりもします。でも、それもまた自分の人生の一部として、今の暮らしと共存させていく感覚を大切にしています。
住み替えは、“変化”ではなく“選択”。あなたが心地よく過ごせる場所を選んだこと、それだけでもう十分に素晴らしい決断です。新しい日々が、あなたらしいペースで彩られていきますように。

今思うこと「家は想い出であり、未来の一歩でもある」
今振り返って思うのは、家というのは「過去」だけでなく「未来」にも関係するものだということです。思い出が詰まっているからこそ、決断が難しかった。でも、その思い出があるからこそ、前に進む勇気をくれた気がします。
家を売却することは、「失うこと」ではなく、新しい生活を整える“準備”だったのだと思います。私にとって、家を手放す経験はひとつの区切りであり、人生の再スタートのような時間でした。
そして今、誰かがあの家でまた新しい歴史を刻んでくれているのだと思うと、どこか誇らしく、あたたかい気持ちになります。
家に込めた想いは、新しい誰かへと自然につながっていくもの。あなたが過ごした日々は、そのまま“未来を支える力”にもなります。その経験が、きっと誰かの背中をそっと押してくれるはずです。

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同じように悩む人へ伝えたい、不動産売却のポイント
感情を整理するためにやってよかったこと3つ
(体験談:章子さん 神奈川県在住 60代)
家を売ると決めるまでに、私は何度も立ち止まりました。感情と現実の間で揺れ動く気持ちをどう整理するか、それが一番の課題だったと思います。そんな中で、自分なりにやってよかったと感じたことが3つあります。
1つ目は、家の中を一部ずつ写真に残すこと。リビングや子ども部屋、庭の木など、大切な場所をスマホで撮影しました。「全部覚えておきたい」ではなく、「記録に残しておけば安心できる」と思えたのが心の支えになりました。
2つ目は、子どもや友人と家の思い出を語ること。一人で抱えていた気持ちを言葉にすることで、感情が整理され、気づけば「そろそろ次のステージに進んでもいいかも」と思えるようになっていました。
そして3つ目は、売却とは別に、自分のこれからの暮らしを考える時間を持ったこと。新しくやってみたい趣味や、住み替え後の理想の生活を書き出してみることで、「失う」ことばかりに目を向けていた自分から、「得る」方向へ少しずつ気持ちが動いていきました。
感情の整理は、急がなくてもいいプロセスです。思い出を大切にしながら、“手放す”というより“未来を整える”という視点を持てるようになると、少し心が軽くなるかもしれません。

売却価格だけじゃない、対応の「温かさ」も重視すべき理由
不動産会社を選ぶとき、多くの人が気にするのが「いくらで売ってくれるか」だと思います。私も最初はそうでした。でも、実際にいくつかの会社とやり取りをして気づいたのは、対応する人の“姿勢”のほうが、もっと大事かもしれないということです。
ある会社では、話すたびにこちらの気持ちよりも数字の話ばかり。早く決めたいのだろうなと伝わってきて、なんだか置いていかれる感じがしました。一方で、最終的にお願いした会社の担当者は、「焦らなくて大丈夫ですよ」と言ってくれて、話を丁寧に聞いてくれました。
価格だけで選んでいたら、安心して任せられなかったかもしれません。大切な家だからこそ、最後まで気持ちよく送り出せるように、一緒に寄り添ってくれる人にお願いしてよかったと心から思っています。
売却は数字だけでは測れない“心の取引”でもあります。温かく、誠実に向き合ってくれる担当者との出会いが、安心して前に進める力になります。

迷ったら一括査定で“人”を見るのも選び方の一つ
「どこに相談すればいいのかわからない」そう思ったとき、私は試しに一括査定サイトを使ってみることにしました。最初は、価格の比較が目的だったのですが、やり取りを通して見えてきたのは、“人”の違いでした。
同じような条件で査定をお願いしても、連絡のスピード、言葉遣い、説明の丁寧さがまったく違っていて、「この人は信頼できそう」「この方とはちょっと合わないかも」と直感的に感じることができたんです。
実際、私はこの中から信頼できそうな会社を2社に絞って、訪問査定をお願いしました。複数人と話すことで、かえって自分が大事にしたいポイントがはっきりしてきたという意味でも、思い切って使ってみてよかったと思っています。

一括査定は、“価格を見る”以上に“人を知る”ための手段にもなります。信頼できるパートナー選びの入り口として、自分のペースで活用してみるのもおすすめです。
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