不動産を売却する際、どんな費用がかかるのかを事前に把握しておかないと、思わぬ出費に驚くことも。仲介手数料や税金、測量費など、具体的な費用の内訳を詳しく解説します。節税対策やコスト削減のポイントも紹介するので、目次を見て必要なところから読んでみてください。

【必須費用】不動産売却で必ずかかる費用一覧

不動産売却にはさまざまな費用がかかりますが、その中でも必ず支払う必要がある費用がいくつかあります。ここでは、具体的な費用の内訳をわかりやすく解説します。

仲介手数料の計算方法と相場

💰 仲介手数料とは?
不動産会社に売却を依頼する場合、成功報酬として支払うのが仲介手数料です。この費用は、不動産会社が買主を見つけ、契約を成立させる対価として発生します。

📌 仲介手数料の計算式(上限)
仲介手数料は法律で上限が定められており、以下の計算式で求められます。

売却価格仲介手数料の上限(税抜)
200万円以下の部分売却価格 × 5%
200万円超~400万円以下の部分売却価格 × 4% + 2万円
400万円超の部分売却価格 × 3% + 6万円

💡 例えば、3,000万円で売却した場合の仲介手数料は?
(400万円 × 3%)+ 6万円 = 96万円(税抜)

ポイント
・仲介手数料は成功報酬型なので、売却が成立しなければ支払う必要なし
・多くの不動産会社が上限額を請求するケースが一般的

売買契約に必要な印紙税の金額早見表

📄 印紙税とは?
不動産売却時に売買契約書を作成する際、契約書に貼付する税金が「印紙税」です。契約金額によって税額が異なるため、事前に確認しておきましょう。

📊 印紙税の早見表(令和6年時点)

売買契約書の記載金額印紙税額(軽減措置適用後)
100万円超~500万円以下1,000円
500万円超~1,000万円以下5,000円
1,000万円超~5,000万円以下10,000円
5,000万円超~1億円以下30,000円

📌 注意点
・印紙を貼らないと契約書が無効になるわけではないが、過怠税が課される可能性あり
・電子契約を利用する場合、印紙税は不要

抵当権抹消登記の手続きと費用相場

🏠 抵当権抹消登記とは?
住宅ローンを完済した場合、所有している不動産の登記簿に記載されている「抵当権」を抹消する必要があります。これを「抵当権抹消登記」といいます。

💰 抵当権抹消登記にかかる費用

費用項目相場
登録免許税1物件につき1,000円
司法書士報酬10,000円~30,000円

📌 費用を抑えるポイント
・自分で法務局に申請すれば、司法書士報酬は不要
・ただし、手続きに不安がある場合は専門家に依頼したほうが安心

🚀 まとめ
仲介手数料は売却価格によって異なり、上限が決まっている
印紙税は売買契約書の金額によって変動するため、事前に確認が必要
抵当権抹消登記は自分で行えば安く済むが、司法書士に依頼する方法もある

不動産売却では、これらの費用が必ず発生します。しっかりと準備をして、スムーズな売却を目指しましょう!

【税金関連】売却益が出た場合にかかる税金

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税や住民税がかかります。ただし、控除や特例を活用すれば、税負担を軽減できる可能性があります。ここでは、税金の計算方法や節税対策について詳しく解説します。

譲渡所得税・住民税の計算方法

💰 譲渡所得税とは?
不動産を売却して得た利益(=譲渡所得)に対して課税される税金です。さらに、譲渡所得には住民税も加算されます。

📌 譲渡所得の計算式
譲渡所得は、以下の計算式で求められます。

📊 譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)

項目内容
売却価格実際に不動産を売却した金額
取得費購入時の価格+購入時の諸費用+リフォーム費用
譲渡費用仲介手数料・測量費・解体費など売却にかかった費用

ポイント
・取得費が不明な場合、売却価格の5%を「概算取得費」として計算可能
・譲渡費用を正しく計上することで、課税対象の譲渡所得を抑えられる

📝 税率の決まり方
税率は、不動産の所有期間によって変わります。

📊 譲渡所得税・住民税の税率

所有期間譲渡所得税住民税合計税率
5年以下(短期譲渡所得)30%9%39%
5年超(長期譲渡所得)15%5%20%

🚀 例:3,000万円で売却し、取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得が500万円の場合(長期譲渡)

500万円 × 20% = 100万円の税金

3,000万円特別控除を活用する方法

🛡️ 3,000万円特別控除とは?
一定の条件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。

📌 適用条件
✅ 自宅(マイホーム)を売却した場合
✅ 売却の相手が親族や特別な関係者ではない
✅ 売却の2年前後に他のマイホーム特例を使っていない

📊 3,000万円特別控除を適用した場合の税額シミュレーション

項目3,000万円控除なし3,000万円控除あり
売却価格5,000万円5,000万円
取得費 + 譲渡費用2,000万円2,000万円
譲渡所得3,000万円0円
税金(長期譲渡)3,000万円 × 20% = 600万円0円

ポイント
・適用されれば、最大600万円の節税効果
・確定申告で適用申請が必要

🚀 まとめ
譲渡所得税と住民税は、不動産売却で利益が出た場合に発生
税率は所有期間によって異なり、5年を超えると軽減
3,000万円特別控除を活用すれば、譲渡所得を大幅に圧縮可能

売却前にしっかりと税金対策を行い、不要な税負担を避けることが重要です!

【必要に応じて発生する費用】売却前後にかかる可能性のあるコスト

不動産売却では、必ず発生する費用だけでなく、状況によって追加で発生する費用もあります。これらのコストを事前に把握し、想定外の出費を避けることが大切です。

測量費用はどんな場合に必要?相場はいくら?

📏 測量費用とは?
測量費用は、土地の境界を明確にするために必要なコストです。以下のようなケースで発生します。

測量費用が必要なケース

  • 土地のみを売却する場合(境界確定が必要)
  • 隣地との境界が不明確な場合(トラブル防止)
  • 古い土地で測量図がない場合(正確な面積を把握)

📊 測量費用の相場

測量の種類必要なケース費用相場
現況測量売却前の簡易測量約10万~20万円
確定測量境界を確定する正式な測量約30万~80万円
分筆測量土地を分割する場合約40万~100万円

📝 ポイント

  • 確定測量をしておくと、売却後の境界トラブルを防げる
  • 測量図がない場合は、測量を依頼しておくとスムーズに売却できる

建物解体費用が発生するケースと費用目安

🏚️ 建物解体費用とは?
売却前に建物を取り壊す場合、その費用が発生します。特に、更地にして売却した方が高値で売れる場合や、買主が建物の状態を理由に購入をためらうケースで検討されます。

解体費用が発生するケース

  • 古い家でリフォームより解体が望ましい場合
  • 更地の方が売却しやすいと判断した場合
  • 住宅ローンの残債がなく、スムーズに解体できる場合

📊 建物解体費用の相場

建物の種類費用相場(1㎡あたり)30坪(約100㎡)の解体費用
木造住宅約3万~5万円約100万~250万円
鉄骨造住宅約4万~7万円約150万~300万円
RC(鉄筋コンクリート)造約6万~10万円約200万~400万円

💡 解体費用を抑えるコツ

  • 自治体の補助金を活用できる場合がある
  • 複数の解体業者に見積もりを依頼し、最適な業者を選ぶ

ハウスクリーニング・リフォーム費用は必要?

🧹 ハウスクリーニングの必要性
築年数が浅く、まだ十分に住める状態の物件なら、ハウスクリーニングで印象を良くするだけで売却価格が上がることがあります。

ハウスクリーニングが有効なケース

  • 築10年以内で設備が比較的新しい
  • 水回り(キッチン・浴室)の汚れが目立つ
  • 内覧時の印象を良くしたい場合

📊 ハウスクリーニングの費用相場

部屋の広さ費用相場
1R~1DK約3万~5万円
2LDK~3LDK約5万~8万円
戸建て(4LDK以上)約8万~15万円

🏠 リフォーム費用は必要?
売却前の大規模なリフォームは、必ずしも必要ではありません。むしろ、リフォーム費用をかけても売却価格に反映されないケースもあります。

リフォームが不要なケース

  • 築年数が経過しており、買主が自由にリフォームしたい場合
  • 相場価格で売却を希望する場合

最低限のリフォームを考えるべきケース

  • 壁紙や床が大きく汚れている(簡単な修繕で印象UP)
  • ドアや水回りの設備が壊れている(修理で売却価格を維持)

📌 結論:コストと効果のバランスが重要
ハウスクリーニングは手軽なため、最低限のクリーニングを行うと◎
リフォームは慎重に検討し、費用対効果を考えて実施することが大切です。

🚀 まとめ
測量費用は、境界不明な土地や分筆売却時に発生する
建物解体費用は、築古物件の売却時に考慮が必要
ハウスクリーニングは手軽に売却価格UPにつながる
リフォームは費用対効果を慎重に判断することが大切

売却前のコストを正しく把握し、無駄な出費を抑えながら、スムーズな売却を目指しましょう!